デフォルト (金融)
デフォルト(英語: default)とは、日本語では「債務不履行」とも呼ばれ、債券の発行者が破綻等の原因によって、元本や利息の支払いを遅延したり、停止したりしたあげく、元本の償還が不能となりかねない状況。これが起きると、債務者は期限の利益を失い、債権の保全措置を講じることができる。一方、金融機関や投資家が貸金を取り戻せず、多額の損失を被ることがある[1][2]。
金融機関のデフォルト
1997年11月4日、経営破綻により群馬中央信用金庫が貸付けていた無担保コール資金約10億円を三洋証券がデフォルト。
1999年10月1日、新潟中央銀行が銀行間内国為替業務における為替決済取引上の債務不履行。
政府のデフォルト
1671年、イギリス政府は200万ポンド以上に上る公債が償還できなくなり、借金の棒引きを行っている[3]。
1876年、オスマン帝国が破産。5年後にオスマン債務管理局が設置された。
1982年、メキシコで外債の債務不履行が発生した[4]。
1987年、ブラジルは対外債務(1110億ドル)のデフォルトに至った[5]。
1998年8月17日、ロシアは90日間の対外債務の支払停止(ロシア財政危機)。
2001年12月、アルゼンチンは外国債に関してデフォルトを宣言した(アルゼンチン#2001年の債務不履行)。
2008年12月12日、エクアドルは同国政府が発行した外貨建て債務についてデフォルトを宣言した。
2013年7月18日、アメリカのミシガン州デトロイト市は連邦倒産法第9章を裁判所に申請し財政破綻した[6]。
2014年3月末時点で、中華人民共和国の9省が地方債務のデフォルトを起こした[7]。- 2014年7月31日 - アルゼンチンは、約12年ぶりに2度目の債務不履行に陥った[8](アルゼンチン#2014年の債務不履行)。
- 2015年6月30日 - ギリシャは返済期限である2015年6月30日[9]を過ぎても、国際通貨基金(IMF)への負債総額15億ユーロを返済しなかった。これによりギリシャは、IMFに対して債務不履行に陥った先進国としては最初の事例となった[10]。その3日後、ギリシャのIMFに対してのデフォルトが欧州金融安定ファシリティ(EFSF)によって正式に認定された[11][12]。IMFのプロトコルでは、IMFへの債務不履行になった場合は30日間のつなぎ期間が与えられ、可能な限り素早く返済するよう求められる[9]。
- 2015年8月3日 - アメリカ自治領プエルトリコが債務不履行に陥った。債務総額は約730億ドル[13]。
脚注
^ 金融用語大全-デフォルト
^ 金融用語集-デフォルト
^ 岩田規久男 『スッキリ!日本経済入門-現代社会を読み解く15の法則』 日本経済新聞社、2003年、58頁。
^ 大和総研 『最新版 入門の入門 経済のしくみ-見る・読む・わかる』 日本実業出版社・第4版、2002年、192頁。
^ 神樹兵輔 『面白いほどよくわかる世界経済-日本を取り巻く世界経済の現状とその問題点(学校で教えない教科書)』 日本文芸社、2010年、148頁。
^ デトロイト市破綻 負債1.8兆円、米自治体で最大日本経済新聞 2013年7月19日
^ 中国の地方債務、初のデフォルト 8億2100万元、償還できずSankeiBiz(サンケイビズ) 2014年6月26日
^ アルゼンチンが債務不履行、約12年ぶり2回目Reuters 2014年7月31日
- ^ abWhat happens if Greece defaults on its International Monetary Fund loans?M. Khan, The Daily Telegraph, Economics, 30 June 2015
^ Greek debt crisis: Is Grexit inevitable?P. Kirby, BBC News, 1 July 2015
^ Greek crisis: European lenders scrample for response to referedum no voteI. Taylor, The Guardian, World, 6 July 2015
^ Deal in the offing: VaroufakisAFP, Business Spectator, Politics, 4 July 2015
^ プエルトリコが債務不履行 米ムーディーズが認定、満期債券の償還できず - 2015年8月4日付産経ニュース