カロッツェリア







カロッツェリアの一つピニンファリーナ社がデザインしたSergio


カロッツェリア(伊: carrozzeria)は、イタリア語で馬車や自動車の車体をデザイン・製造する業者。もしくはボディ修理業者(板金工場)の意味もある。工業都市のトリノやミラノに拠点を置く場合が多い。なお英語ではCoachbuilder(コーチビルダー)がこれに該当する。




目次






  • 1 概要


  • 2 おもなカロッツェリア


  • 3 関連デザイナー


  • 4 脚注


  • 5 関連項目





概要


イタリア語でカロッツァ (carrozza) は高級馬車を意味し、カロッツェリアは元々馬車工房のことである[1]。陸上交通の主役が馬車から自動車に移った頃、これらの工房も自動車のボディ製造を生業とするようになった。初期の自動車メーカーは車体(エンジンやシャーシ)を製造し、カロッツェリアがその上にボディを架装した。上流階級の顧客のオーダーや手がけた職人のセンスによって、同じ車種でも1台1台デザインが異なる場合があった。


自動車メーカーがボディも含めて一括量産体制に入ると、カロッツェリアはフオリ・セリエ (Fuoriserie) と呼ばれる優美なワンオフモデルや、エアロダイナミクスに優れたスポーツモデル、未来的なコンセプトカーなど、技術を活かせる分野で個性を発揮した。イタリア独特の美意識を買われて海外メーカーの仕事もこなし、時代を象徴するデザインや才能あるカーデザイナーを世に送り出した。


自動車メーカーが社内にデザイン部門を持つようになった現代では、カロッツェリアの独立性は脅かされ、会社を畳んだり自動車メーカー傘下に吸収されるなどして数を減らしている。ベルトーネ、ピニンファリーナといった代表的ブランドも、受託生産の減少により経営再建を強いられた[2][3]。その一方で、メーカーから依頼される研究開発業務は堅調であり、自動車以外の輸送機関(鉄道車両・航空機・船舶)、一般工業製品(家電・家具・装飾品)など、デザイン分野の多角化も進めている。



おもなカロッツェリア



  • アレマーノ

  • イタルデザイン

  • I.DE.A

  • ヴィニャーレ

  • エレナ

  • ギア


  • ザガート (SZデザイン)

  • スカリエッティ

  • スタビリメンティ・ファリーナ

  • トゥーリング

  • ピニンファリーナ

  • ベルトーネ

  • ボアーノ

  • KEN OKUYAMA DESIGN



関連デザイナー



  • マルチェロ・ガンディーニ

  • ジョルジェット・ジウジアーロ

  • フランコ・スカリオーネ

  • エルコーレ・スパーダ

  • バッティスタ・ファリーナ

  • ヌッチオ・ベルトーネ

  • エンリコ・フミア

  • ピエトロ・フルア

  • ジョヴァンニ・ミケロッティ

  • 奥山清行

  • 原田則彦



脚注





  1. ^ 「高島鎮雄のピニン・ファリーナ論」『カーグラフィック』2012年10月号、カーグラフィック、2012年、67頁。


  2. ^ 大矢アキオ "カロッツェリア・ベルトーネ、フィアットが取得か". レスポンス.(2009年7月15日)2013年4月9日閲覧。


  3. ^ 大矢アキオ "イタリアからカロッツェリアが消える!…ピニンファリーナ、生産から撤退". レスポンス.(2009年1月2日)2013年4月9日閲覧。




関連項目



  • コーチビルダー

  • 特装車











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