失策







エラーする選手(デレク・ジーター)


失策(しっさく)とは、野球やクリケットなどにおいて守備を行っている野手・投手が、ミス(ミステイク、失敗)により、打者の打撃の時間を延ばしたり、アウトにするはずの打者・走者をアウトにできなかったり、余分な進塁を許したりすること、またその回数を示す記録をいう[1]エラーとも呼ぶ。暴投、捕逸、野手選択は失策に含まれない。


各々のプレイの結果が失策であるかどうかは、公式記録員の判断による。そのため、広い守備範囲を持ち、多くの打球に対して積極的に捕球を試みる選手はたとえ守備の技術に優れていたとしても失策が増える可能性があり、逆に守備の技術が劣っていても、きわどい打球の捕球を積極的に試みない守備範囲の狭い選手は失策数が伸びない可能性もあり、失策数の多少のみを基準にして守備の巧さを測ることはできない。




目次






  • 1 失策が記録される主なケース


  • 2 失策が記録されない主なケース


  • 3 失策の判断が難しいケース


  • 4 自責点への影響


  • 5 失策に関する記録


    • 5.1 日本記録


    • 5.2 メジャーリーグ記録




  • 6 脚注


  • 7 関連項目





失策が記録される主なケース




  • 普通の守備行為を行えばアウトとなるはずの打者・走者をアウトにできなかった。または余分な進塁を許した場合。

    • 打球や送球を落としたり、はじいたりした場合。ただし打球の勢いが強くて捕球できなかったと記録員が判断すれば安打が記録される。

    • 送球先の野手が捕球できないコースにボールを投げた(悪送球)場合。

    • ボールを握り損ねたりして正確な送球ができなかった場合。ただし通常のプレイでもアウトを取れないタイミングと記録員が判断すれば、失策は記録されない。

    • ゴロを取る事が出来ずに、ボールが股の下をくぐってしまったり(トンネル)、捕球可能なボールを後ろにそらしたり(後逸)して進塁を許した場合。

    • 捕球可能なはずのファウルフライを落球した場合。ただし捕球不可能と記録員が判断した時、あるいは犠牲フライを防ぐために落球した時には失策は記録されない。なお、この場合の失策はNPBでは完全試合に影響しない。また、MLBでは、1990年まではこの失策が記録された時、完全試合の権利を失っていたが、現在は定義が緩和されて完全試合として認められている。

    • インフィールドフライを直接捕球しなかったことで走者の進塁を許した場合。

    • 塁や走者に触れ損ねて、アウトにできるはずの走者を生かしてしまった場合。




  • 打撃妨害を与えた場合。


  • 走塁妨害を与えた場合。ただし、6.01h(2)により妨害がなければ達したであろうと判断して審判員が与えた進塁と打球の性質が一致した場合は失策は記録されない。(二塁打性の長打を打った打者走者が一塁を回ったところで一塁手とぶつかり、オブストラクションで二塁を与えられた場合=記録は二塁打)



失策が記録されない主なケース



  • 飛球を捕球する際に2人以上の野手が譲り合い、誰も直接捕球できなかった場合。

  • 打球がイレギュラーバウンドとなり、捕球が困難となった場合。

  • 太陽光や照明が視界に入り打球を見失って、打球を捕球することができなかった場合。


  • 盗塁時の捕手からの送球が逸れてしまい、カバーに入った野手が捕球できなかった場合(盗塁が記録される)。ただし、悪送球を利して走者がさらに進塁した場合は、盗塁に加えて失策も記録される。

  • 飛球落球後に直ちに球を拾い封殺した場合。

  • 野手が併殺もしくは三重殺を企てた際、その最後のアウトをとろうとした送球が悪送球となった場合。ただし、そのことでいずれかの走者が余分な塁に進んだときは失策が記録される

  • 投手が一塁ベースカバーに入らないで打者走者を生かした場合[2]



失策の判断が難しいケース


  • 捕手による二塁走者の牽制のための送球を二塁手・遊撃手がともに捕球せず転がってしまった場合(捕手の失策)。


自責点への影響


失策により出塁した走者が得点した場合、投手に自責点は記録されない。これは投手自身が失策を犯した場合も同様である。また、登板中の投手が失策発生時にも登板しており、失策が生じなければ3アウトとなっていた時に限り、以降の失点は自責点に含まれない。この際、併殺となり得るプレー中に失策が生じた場合は2アウト分と計算される。ただし、いずれの場合にも失点は記録される。イニングの途中で投手が交代したときは、失策でのカウントは数えなおしになるため投手自責点の対象になるが、チーム自責点の対象にはならない。



失策に関する記録



日本記録












































ポジション 選手 失策数

一塁手通算記録
王貞治 165

二塁手通算記録
高木守道 284

遊撃手通算記録
白石勝巳 636

三塁手通算記録
小玉明利 301

外野手通算記録
大下弘 79

捕手通算記録
野村克也 271

投手通算記録
別所毅彦 53

東尾修


  • 通算最多:白石勝巳の646(遊撃手で636、一塁手で10)

  • シーズン最多:1940年に東京セネタースの遊撃手柳鶴震が記録した75。2リーグ制以後では1950年に大洋の宮崎剛が記録した48。

  • 1試合最多:木塚忠助の6(1949年9月29日、西宮球場)

  • 1イニング最多:本堂保次の4(木塚忠助が1試合6失策を記録した直後のダブルヘッダー第2試合で記録)



メジャーリーグ記録











































ポジション 選手 失策数
一塁手通算記録 キャップ・アンソン 568
二塁手通算記録 フレッド・フェファー 857
遊撃手通算記録 ハーマン・ロング 1070
三塁手通算記録 ジェリー・デニー 533
外野手通算記録 トム・ブラウン 490
捕手通算記録 アイビー・ウィンゴ 234
投手通算記録 ヒッポ・ボーン 64


  • 通算最多:1889年から1904年までプレーしたハーマン・ロングの1096が最多(遊撃手で1070、二塁手で22、外野手で4)。歴代上位24位までが1900年以前にプレー経験がある選手である[3]。20世紀以降の記録ではラビット・モランビルの711が最多。

  • シーズン最多:ハーマン・ロング(1889年)とビリー・シンドル(1890年)の122[4]



脚注





  1. ^ 公認野球規則9.12


  2. ^ 公認野球規則9.12(a)(1)【原注3】


  3. ^ Career Leaders & Records for Errors Committed


  4. ^ Single-Season Leaders & Records for Errors Committed




関連項目



  • 守備率

  • 野球の各種記録









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