2016年東京都知事選挙











2016年東京都知事選挙

東京都







2014年 ←


2016年7月31日 (2016-07-31)









































投票率
59.73%
 

Yuriko Koike, Aug. 17, 2007.jpg

Hiroya Masuda 200708.jpg

ShuntaroTorigoe cropped.jpg
候補者

小池百合子
当選
増田寛也
鳥越俊太郎
政党
無所属 無所属
無所属
得票数
2,912,628 1,793,453 1,346,103
得票率
44.49% 27.40% 20.56%








選挙前知事

舛添要一
無所属



選出知事

小池百合子
無所属






ポスター掲示場(新橋駅前)。全21候補のポスターが掲示されている。


2016年東京都知事選挙(2016ねんとうきょうとちじせんきょ)は、2016年(平成28年)7月31日に実施された東京都知事選挙[1][2]。東京都知事選挙における立候補者の人数としては、歴代最多となる21人が立候補。投開票の結果、無所属新人で元防衛大臣の小池百合子が当選した[3]




目次






  • 1 概要


  • 2 選挙データ


    • 2.1 告示日・執行日


    • 2.2 同日選挙


    • 2.3 イメージキャラクター・キャッチフレーズ




  • 3 主な争点


  • 4 立候補者


    • 4.1 立候補者の都政政策関連




  • 5 その他の立候補に関連した人物


    • 5.1 立候補を表明したが、実際に立候補しなかった人物


    • 5.2 立候補が取り沙汰された人物




  • 6 関係各所の動向


    • 6.1 各政党・政治団体


    • 6.2 東京都内の首長(区長・市長など)




  • 7 選挙のタイムライン


  • 8 選挙結果


  • 9 選挙特別番組


    • 9.1 テレビ番組


    • 9.2 ラジオ番組


    • 9.3 ネット配信




  • 10 選挙期間中の出来事と選挙後の動き


    • 10.1 政見放送の一部音声削除


    • 10.2 特定の3候補に偏った報道


    • 10.3 小池百合子と自民党の関係




  • 11 脚注


    • 11.1 注釈


    • 11.2 出典




  • 12 外部リンク





概要


第18代東京都知事猪瀬直樹の辞任を受けて実施された2014年東京都知事選挙で当選を果たし、第19代知事に就任していた舛添要一が、自らの公私混同問題などで世間の批判を受け、2016年6月15日に東京都議会議長に「平成28年6月21日付を以て東京都知事の職を辞する」とした辞職願を提出し[4]、6月21日を以て辞職した為[5]、その後任を決めるための選挙である[2]


同年6月17日、東京都選挙管理委員会は本選挙の日程を協議し、同年7月14日に選挙を告示し、同年7月31日に投票日を設定することを決定した[1][2]


都道府県知事選挙では2016年7月10日(第24回参議院議員通常選挙と同日)の2016年鹿児島県知事選挙に次いで2番目に高校生を含む18歳選挙権が導入された。



選挙データ



告示日・執行日



  • 告示日:2016年(平成28年)7月14日[1]

  • 執行日:2016年(平成28年)7月31日[1]

  • 当選証書授与日:2016年(平成28年)8月2日[6]



同日選挙



  • 東京都議会議員補欠選挙(7月22日 告示)


    • 大田区選挙区(田中健の次期衆議院議員総選挙出馬予定による辞職に伴うもの)


    • 渋谷区選挙区(村上英子の渋谷区長選挙出馬に伴うもの)


    • 新宿区選挙区(吉住健一の新宿区長選挙当選に伴うもの)


    • 台東区選挙区(服部征夫の台東区長選挙当選に伴うもの)

    • いずれも自民党新人が当選を果たした[7]




イメージキャラクター・キャッチフレーズ


  • 今回の都知事選については、前回2014年同様にイメージキャラクターにタレント・芸能人の起用はなかった。また、今回の都知事選におけるキャッチコピーは『この東京を決める選挙。』。都選挙管理委員会が作成した動画や、啓発ポスターに使用されている[8]


主な争点







  • 「政治とカネ」の問題[9][10]


  • 少子高齢化問題・待機児童解消などの社会保障対策[9][11]


  • 2020年東京オリンピック・パラリンピック開催費用の負担問題[9][10][11]


  • 首都直下地震などの災害への対策[9]


  • 韓国人学校への都有地貸与問題[12]



立候補者


※21名[注 1]、立候補届け出順[13][14]







































































































































候補者名 年齢 党派 肩書き

高橋尚吾
(たかはし しょうご)
32 無所属 元コールセンター勤務

谷山雄二朗
(たにやま ゆうじろう)
43 無所属 国際映像配信会社社長

桜井誠
(さくらい まこと)
44 無所属
在日特権を許さない市民の会
創設者・初代会長

鳥越俊太郎
(とりごえ しゅんたろう)
76 無所属
(民進党・日本共産党・社会民主党・生活の党と山本太郎となかまたち・新社会党・緑の党グリーンズジャパン・東京・生活者ネットワーク 推薦)

ジャーナリスト

増田寛也
(ますだ ひろや)
64 無所属
(自由民主党・公明党・日本のこころを大切にする党 推薦)
前岩手県知事、元総務大臣

マック赤坂
(マック あかさか)
67 無所属
セラピスト

山口敏夫
(やまぐち としお)
75 国民主権の会 元労働大臣

山中雅明
(やまなか まさあき)
52 未来(みらい)創造経営実践党
税理士

後藤輝樹
(ごとう てるき)
33 無所属
便利屋業

岸本雅吉
(きしもと まさよし)
63 無所属
歯科医師

小池百合子
(こいけ ゆりこ)
64 無所属
(かがやけTokyo・自由を守る会 支援)
元衆議院議員、元防衛大臣

上杉隆
(うえすぎ たかし)
48 無所属 フリージャーナリスト

七海ひろこ
(ななみ ひろこ)
32 幸福実現党 幸福実現党広報本部長、元通信会社社員

中川暢三
(なかがわ ちょうぞう)
60 無所属 前兵庫県加西市長

関口安弘
(せきくち やすひろ)
64 無所属
建物管理業

立花孝志
(たちばな たかし)
48 NHKから国民を守る党 前千葉県船橋市議

宮崎正弘
(みやざき まさひろ)
61 無所属
日本大学芸術学部映画学科教授

今尾貞夫
(いまお さだお)
76 無所属
泌尿器科医師

望月義彦
(もちづき よしひこ)
51 無所属
ソフトウェア開発会社社長

武井直子
(たけい なおこ)
51 無所属 元学習塾講師

内藤久遠
(ないとう ひさお)
59 無所属 元陸上自衛官、石油化学会社社員


立候補者の都政政策関連



  • 高橋尚吾 - 高橋しょうごの政策(高橋しょうご公式ブログ ~私達の都政~)

  • 谷山雄二郎 - 谷山ゆうじろうの8策(谷山ゆうじろう International Tokyo Now!)

  • 桜井誠 - 日本を取り戻す七つの約束(桜井誠オフィシャルサイト)

  • 鳥越俊太郎 - 「あなたに都政を取り戻す」(鳥越俊太郎 公式サイト)

  • 増田寛也 - 増田ひろや3つの実現(増田寛也 オフィシャルウェブサイト)

  • マック赤坂 - 東京をスマイルに(マック赤坂が総裁の政治団体『スマイル党』 公式ホームページ)

  • 山口敏夫 - 都政策が書かれた公式サイトなし

  • 山中雅明 - 山中雅明 選挙公約(『未来(みらい)創造経営実践党』 公式ホームページ)

  • 後藤輝樹 - 選挙公報の文章(後藤輝樹のオフィシャルサイト)

  • 岸本雅吉 - 5つの公約・理念(岸本雅吉 公式ホームページ)

  • 小池百合子 - 「東京大改革宣言」(小池ゆりこ 東京都知事選特設ページ)<PDF形式>

  • 上杉隆 - 東京を、必ず変える(上杉隆 公式ウェブサイト)

  • 七海ひろこ - 2016年 東京都知事選 主要政策(七海ひろこ 公式サイト)

  • 中川暢三 - プラチナ首都を創造しよう(中川ちょうぞう オフィシャルサイト)

  • 関口安弘 - 都政策が書かれた公式サイトなし

  • 立花孝志 - 最後の訴え 東京都知事候補 NHKから国民を守る党 立花孝志の公約(『NHKから国民を守る党』公式ブログ)<動画>

  • 宮崎正弘 - 3つの公約(宮崎正弘 公式サイト)

  • 今尾貞夫 - 都政策が書かれた公式サイトなし

  • 望月義彦 - 望月義彦のツイッター<政策が各所に記載>

  • 武井直子 - 武井の都政展望-東京ビジョン-!(武井直子 公式ウェブサイト)<文章やや上のほうに掲載>

  • 内藤久遠 - 都政策が書かれた公式サイトなし



その他の立候補に関連した人物


以下は立候補しなかった者のうち、立候補を表明した者、各党が擁立しようとした者、メディアで立候補の可能性が報じられた者の一覧。



立候補を表明したが、実際に立候補しなかった人物


※立候補表明順




  • ドクター・中松 - 発明家、実業家
    • 2016年6月27日の記者会見で立候補を示唆した[15]


  • 河野充喜 - 洋画家
    • 2016年7月1日の記者会見で立候補を表明した[16]が、届け出ず。


  • 河野憲二(河野なみ平) - 元居酒屋経営
    • 2016年7月5日に記者会見で立候補を表明した[17]が、届け出ず。



  • 山口節生 - 鑑定士
    • 2016年7月6日、記者会見で立候補を表明した[18]が、届け出ず。



  • 石田純一 - 俳優・タレント
    • 7月8日、都内で記者会見し、「野党統一候補なら出馬する」と表明した[19]が、3日後の11日、「都知事選への意欲を示してまいりましたが、正式に断念いたします。自分の事情もありまして、タイムリミットもありました」[20]として出馬見送りを表明した。



  • 宇都宮健児 - 元日本弁護士連合会会長
    • 2016年7月11日の記者会見で立候補を表明した[21]が、7月13日に「市民運動を担う人の間で、対立的な状況になりかねない」と[22]野党統一候補として決定した鳥越に譲る形で立候補を取りやめ[23]




立候補が取り沙汰された人物


※五十音順




  • 安藤優子 - ニュースキャスター
    • 一部で出馬が取り沙汰されたが、自身がキャスターを務めるフジテレビの「直撃LIVE グッディ!」の番組内で出馬を否定している[24]



  • 池上彰 - ジャーナリスト
    • 一部で立候補待望論が出たものの、投開票の当日に放送されるテレビ東京の選挙特番の司会を担当するとして出馬を否定した[25]



  • 石原伸晃 - 経済再生担当大臣、自由民主党衆議院議員
    • 自身を押す声が上がっていることについて「光栄だ」と述べている[26]



  • 江田憲司 - 民進党衆議院議員、代表代行
    • 民進党が擁立を検討していたが、「候補だと勝手に出され不愉快だ。出ることは絶対ない」として出馬を否定[27]



  • 海江田万里 - 旧民主党元代表、元衆議院議員
    • 民進党が擁立を検討していたが、出馬を否定[27]



  • 柿沢未途 - 民進党衆議院議員
    • 民進党が擁立を検討していたが、出馬を否定[27]



  • 片山善博 - 前鳥取県知事、元総務大臣
    • 民進党が擁立を検討していたが、出馬を否定[28]



  • 北川正恭 - 元三重県知事
    • 民進党内から立候補を要請する動きがあったが出馬を否定[28]



  • 古賀茂明 - 元経産官僚
    • 民進党が候補として最終調整を進めていたが、鳥越俊太郎に出馬を譲る形で断念[29]



  • 斎木昭隆 - 前外務事務次官
    • 自由民主党内から擁立の動きがあったが、「関心がない」としている[30]



  • 桜井俊 - 前総務事務次官、男性アイドルグループ「嵐」のメンバー・櫻井翔の実父
    • 6月17日に総務事務次官を退任し[31]一部で待望論が高まったが、出馬を否定した[32]。長男の櫻井翔は7月10日に日本テレビの参議院選挙特番に出演。



  • 鈴木大地 - 元水泳選手、スポーツ庁長官
    • 候補として一部で名前が挙がったが、就任したばかりの長官の役目を投げ出すわけにはいかないとし、「(1988年ソウルオリンピックの100m背泳ぎで金メダルを獲得した時のタイム55秒05にかけて)5505%ぐらい(無い)」と出馬を否定[33]



  • 竹花豊 - 元東京都副知事、東京ビッグサイト社長
    • 自民党と公明党の支援があれば出馬する意向を示していた[34]



  • 長島昭久 - 民進党衆議院議員、元防衛副大臣
    • 民進党が長島を軸に候補選考を進めてきたが、長島が民進党が模索する野党共闘での都知事選出馬に否定的なことから候補から外れた[35]



  • 長妻昭 - 民進党衆議院議員、民進党代表代行、元厚生労働大臣
    • 候補として一部で名前が挙がったが、6月15日に行われた参院選公約発表会見の席で出馬を否定[36]



  • 橋下徹 - 弁護士、元大阪府知事、元大阪市長、元おおさか維新の会共同代表
    • 立候補が取り沙汰されたが、出馬を否定



  • 東国原英夫 - タレント、元宮崎県知事、元衆議院議員
    • 立候補が取り沙汰されたが、7月23日から7月31日まで上演される舞台「ペコロスの母に会いに行く」出演のため出馬を否定[37]



  • 百田尚樹 - 小説家、放送作家

    • ブログで都知事選出馬を示唆、朝日新聞の取材に対し「半分くらい本当」としていたが[38]、出馬せず



  • 堀江貴文 - タレント、実業家
    • 一部で立候補が取り沙汰されたが、出馬の要請はないとしている[39]



  • 丸川珠代 - 自由民主党参議院議員、環境大臣
    • 立候補が取り沙汰されたが、国務大臣の職務を果たすとして出馬を否定[40]



  • 松沢成文 - 無所属参議院議員、元神奈川県知事

    • 民進党都連内で擁立を目指すことが決定されたが、公示1週間前というタイミングもあり、松沢は「この状況で受けるのはかなり難しい。物理的に間に合わない」と消極姿勢[41]



  • 村木厚子 - 前厚生労働事務次官
    • 自由民主党内から出馬を要請する動きがあったが、出馬を否定[28]



  • 蓮舫 - 参議院議員、民進党代表代行

    • 東京都選出で2016年に改選期を迎え、知名度も高いことから、民進党内では擁立論が高まったが、6月18日に行われた事務所開きにおいて、参議院通常選挙への出馬を明言、都知事選への不出馬を表明[42]



  • 渡邉美樹 - 自由民主党参議院議員、実業家

    • ブログに、自らが都知事になった場合には無駄遣いは絶対にしないと投稿し、出馬への意欲かと注目されたが、その後出馬しないことを明らかに[38]




関係各所の動向



各政党・政治団体


民進党・日本共産党・社会民主党・生活の党と山本太郎となかまたちの野党4党、6月21日、今回の都知事選の対応について、幹事長・書記局長会談を行い、都知事選の直前に行われた第24回参院選と同様に都知事選にも野党統一候補(民共共闘)擁立を決定[43]。7月12日、鳥越俊太郎が記者会見で都知事選への出馬を発表。民進が鳥越の擁立を決め、これに、共産・社民・生活が同調。鳥越の記者会見直後、野党4党は幹事長・書記局長会談を開き、鳥越を野党統一候補とすることで決定[44]。緑の党グリーンズジャパン・東京・生活者ネットワーク・新社会党なども追従し鳥越への推薦や支援を行っている。一方で民進党の支持組織連合東京は民進党から推薦を要請されたが拒否、自主投票とした[45]。なお、民進党東京都連が出馬を要請していた古賀茂明は、鳥越に出馬を譲る形で断念。また前々回2012年と前回2014年の都知事選において社民党・共産党らの推薦を受けて出馬した宇都宮健児は、公示前日の午前中までは今回の都知事選に出馬する意思を示していたが、午後になって野党共闘を優先する形で出馬を断念。





小池百合子候補、衆議院議員若狭勝の新宿駅東南口街頭演説


一方、自民党は小池百合子が党に対し推薦願を提出し、石原伸晃自民党東京都連会長とも面談を行ったが、党内からは小池が党に無断で立候補表明したことに批判が噴出したことから、自民党東京都連が擁立した増田寛也に推薦を出すこととした。これを受け小池は、推薦の希望を取り下げた[46]。増田への推薦決定に際し自民党都連は国会議員・地方議員へ「家族・親族を含め増田以外の候補を応援した場合除名などの処分対象とする」という文書を配布、党紀引き締めを図ったが、若狭勝衆院議員(比例東京)や小池の地盤である豊島区・練馬区区議などの一部自民党議員が造反し小池を支援する動きも出る[47][48]。なお増田には自民のほか、連立与党のパートナーである公明党も支援[49]、自公連立与党を支援する日本のこころを大切にする党も党として増田への推薦を出しているが[50]、党議拘束はかけておらず[51]、個人として小池を支援する党員も出ている[52][53]。そのため自民党も含め与党は、いわゆる『分裂選挙』となる。なお、自民党が都知事選において分裂選挙となるのは、1999年の都知事選以来17年ぶり[注 2][54]。その一方で、松井一郎大阪府知事率いるおおさか維新の会は、今回の都知事選については独自候補の擁立や特定候補の支援をせず、候補者には一切関わらないとする方針を明らかに[55]


元みんなの党都議で構成される都議会会派「かがやけTokyo」、および同会派所属の上田令子都議が代表を務める地域政党「自由を守る会」は小池支援を決定[56][57]


諸派は、幸福実現党が前々回2012年の都知事選以来2回目となる公認候補として七海ひろこを擁立。『国民主権の会』は代表で元労働大臣の山口敏夫、『未来(みらい)創造経営実践党』は党首・総裁で税理士の山中雅明、『NHKから国民を守る党』は代表で前千葉県船橋市議会議員の立花孝志が、それぞれ公認で立候補。また『スマイル党』は同党総裁でセラピストのマック赤坂が、『地球平和党』は代表の関口安弘[注 3]がそれぞれ無所属で立候補。一方で、前回2014年の都知事選で田母神俊雄を支持した維新政党・新風は、今回特定候補者の支援・支持を見送った。



東京都内の首長(区長・市長など)


今回の都知事選は、東京都内の市区町村の首長の間でも増田寛也・鳥越俊太郎・小池百合子の主要3候補に支持が分かれる形となった[58][59]


増田は、都知事選の告示前に、都内の大半の区長・市長と町村長が都知事選への出馬を要請[60]。区長会や市長会、町村長会によると、東京23区のうち荒川区の西川太一郎区長など21区長、26市のうち羽村市の並木心市長など25市長、13町村に至っては13人全員が要請に参加[61]。都知事選のスタートと同時に、要請に参加した全員が増田の支持に回った。


鳥越には、かつて社民党衆院議員から転身した世田谷区の保坂展人区長や、市長選で旧民主・共産・社民などの支持を受け当選した武蔵野市邑上守正市長・多摩市の阿部裕行市長といった野党共闘に参加した4党にゆかりのある首長が支持に回った。


小池には、自身が衆議院議員時代、衆議院東京10区(豊島区、練馬区の一部)が地盤であったことから、地元豊島区の高野之夫区長が支持に回る。



選挙のタイムライン




  • 2016年6月15日


    • 舛添要一が都議会議長に対し6月21日付での辞職願を提出、都議会は本会議において辞職に同意[62]


    • マック赤坂が立候補を宣言するファクスをマスコミに送付[63]




  • 6月17日 - 東京都選挙管理委員会が7月14日告示、7月31日投開票とする選挙日程を決定[1][2]


  • 6月20日 - マック赤坂が記者会見で立候補を表明[64]


  • 6月21日

    • 舛添要一が同日付をもって、東京都知事を正式に辞任。


    • 民進党・共産党・社民党・生活の党の野党4党が、幹事長・書記局長会談を国会内で行い、都知事選に野党統一候補を擁立を決定[43]




  • 6月24日 - 中川暢三が記者会見で立候補を表明[65]


  • 6月29日 - 小池百合子[66]、桜井誠[67]が、それぞれ記者会見で立候補を表明。


  • 7月1日 - 河野充喜が記者会見で立候補を表明[16]


  • 7月5日 - 河野憲二[17]、今尾貞夫[17]、山口敏夫[68]が、それぞれ記者会見で立候補を表明。


  • 7月6日 - 立花孝志[69]、山口節生[18]が、それぞれ記者会見で立候補を表明。


  • 7月7日 - 高橋尚吾が記者会見で立候補を表明[70]


  • 7月8日 - 石田純一が記者会見で「野党統一候補」という条件で立候補を表明。


  • 7月11日


    • 増田寛也[21]、宇都宮健児が、それぞれ記者会見で立候補を表明。

    • 石田が記者会見で立候補を断念。




  • 7月12日


    • 鳥越俊太郎が記者会見で立候補を表明。会見後、民進党・共産党・社民党・生活の党の野党4党は幹事長・書記局長会談を開き、鳥越を野党統一候補とすることで決定[71]

    • 山中雅明[72]、上杉隆[73]が、それぞれ記者会見で立候補を表明。


    • 自民党・公明党の連立与党が増田の推薦を決定[74]




  • 7月13日


    • 幸福実現党の七海ひろこが記者会見で立候補を表明[75]


    • 日本のこころを大切にする党が増田寛也の推薦を決定[76]

    • 宇都宮が記者会見で立候補取りやめを発表。


    • おおさか維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)が都知事選において党として特定の候補者を擁立・支援しない方針を表明[55]




  • 7月14日

    • 選挙告示。


    • 谷山雄二朗、後藤輝樹、岸本雅吉、関口安弘、宮崎正弘、望月義彦、武井直子、内藤久遠が、それぞれ立候補を届け出る。

    • 河野充喜、河野憲二、山口節生は、立候補を届け出ず。




  • 7月31日 - 選挙投票日、即日開票。


  • 8月2日 - 当選証書の授与[6]。その後、都知事就任。



選挙結果






投票率は59.73%(男58.19%、女61.22%)で、前回2011年の46.14%(男46.46%、女45.83%)を大きく上回った、前回比 +13.59%(男+11.73、女+15.39)。当日の有権者数は11,083,306人(男5,431,190人、女5,652,116人)で、投票者数は6,620,407 人(男3,160,220人、女3,460,187人)、棄権者数4,462,899人(男2,270,970人、女2,191,929人)、投票総数6,620,300票。有効投票数は6,546,362票、無効投票数73,938票、得票総数は6,546,361.993票(按分の際切り捨てた票数0.007票、いずれの候補者にも属さない票数0票)。持ち帰りと思われる票数103票、不受理と決定した票数4票、無効投票率1.12%となった。7月31日20時00分に投票が締め切られ、開票確定の8月1日1時05分まで5時間5分を要した[78][79]


候補者別の得票数の順位・得票数[80]、得票率・惜敗率は以下のようになった。得票率と惜敗率は未発表のため暫定計算とした(小数3位以下四捨五入)。





























各候補の得票率



  小池百合子 (44.49%)


  増田寛也 (27.40%)


  鳥越俊太郎 (20.56%)


  上杉隆 (2.74%)


  桜井誠 (1.74%)


  マック赤坂 (0.78%)


  七海ひろこ (0.44%)


  立花孝志 (0.42%)


  その他 (1.43%)












































































































































































































順位
候補者名
党派
新現元
得票数
得票率
惜敗率
1

小池百合子
(当選)

無所属

2,912,628
44.49%
----
2

増田寛也
無所属

1,793,453
27.40%
61.58%

以上の候補が法定得票率(25%)を満たした
3

鳥越俊太郎
無所属

1,346,103
20.56%
46.22%

以下の候補は得票率10%未満のため供託金没収
4

上杉隆
無所属


0,179,631.018
2.74%
6.17%
5

桜井誠
無所属


0,114,171
1.74%
3.92%
6

マック赤坂
無所属


0,051,056
0.78%
1.75%
7

七海ひろこ

幸福実現党


0,028,809
0.44%
0.99%
8

立花孝志
NHKから国民を守る党


0,027,241.975
0.42%
0.94%
9

高橋尚吾
無所属


0,016,664
0.25%
0.57%
10

中川暢三
無所属


0,016,584
0.25%
0.57%
11

山口敏夫
国民主権の会


0,015,986
0.24%
0.55%
12

岸本雅吉
無所属


0,008,056
0.12%
0.28%
13

後藤輝樹
無所属


0,007,031
0.11%
0.24%
14

谷山雄二朗
無所属


0,006,759
0.10%
0.23%
15

武井直子
無所属


0,004,605
0.07%
0.16%
16

宮崎正弘
無所属


0,004,010
0.06%
0.14%
17

望月義彦
無所属


0,003,332
0.05%
0.11%
18

山中雅明
未来(みらい)創造経営実践党


0,003,116
0.05%
0.11%
19

今尾貞夫
無所属


0,003,105
0.05%
0.11%
20

内藤久遠
無所属


0,002,695
0.04%
0.09%
21

関口安弘
無所属


0,001,326
0.02%
0.05%



小池百合子(緑)は都心部を中心に幅広く支持を集めた。他方で、檜原村や島嶼部の一部では増田寛也(赤)が小池を上回った。


無所属新人の小池百合子が増田寛也(自民、公明、こころ推薦)や鳥越俊太郎(民進、共産、社民、生活推薦)らを退け、当選。東京都知事としては初、全国的にも7人目となる女性知事が誕生[81]。現職では、北海道高橋はるみ知事・山形県吉村美栄子知事に続いて3人目[82]


投票日前までは接戦となる情勢が伝えられていたが、蓋を開けてみれば、小池が約291万票を獲得、次点の増田に100万票以上の大差をつけ圧勝に終わった[83]。また、自民党を飛び出す形で立候補した小池は自民をはじめとする政党からの推薦を得ずに出馬したが、JNN調べの情勢調査では無党派層を中心に、自民党や民進・共産といった野党の支持層なども取り込んで幅広い支持を集めたのが、勝因となった[84]


一方、増田は自民党と公明党の連立与党、それに日本のこころを大切にする党の推薦を受けたが、得票は179万票獲得するも、自民党支持層の票がおよそ4割強、公明党支持層の票が2割ほど小池に流れてしまうなど「分裂選挙」の影響が出たことにより、小池に100万票を超える差をつけられ次点に終わる[85]


野党4党(民進、共産、社民、生活)が推薦し「野党統一候補」として出馬した鳥越も、与党系の分裂選挙となり、更に都議会の与党勢力の体質も問題視されていたため、当初は鳥越が優勢と見られていた[誰によって?]。しかし鳥越の出馬が公示直前であったことから、政策等の準備不足や4党の連携不足。また、岡田克也民進党代表が都知事選の投票日前日に、9月開催の民進党代表選挙への不出馬と9月いっぱいでの代表退任を表明したことが決め手となり、民進党や共産党などの『非自民』支持層の票の一部が小池に流れ[86]、鳥越は分裂した与党系の両候補に及ばない3位に終わった[87]。また、鳥越に譲るかたちで立候補を断念した宇都宮健児は、鳥越の政策に対し国政レベルでは重要だが都政では重視するものではない改憲や脱原発を争点としたことが敗因ではないか、そして統一候補者を決める流れが不透明で、安倍政権を独裁と非難しておきながら候補者の決定の流れが不透明ではないかとコメントしている[88]



選挙特別番組



テレビ番組




ラジオ番組




ネット配信







選挙期間中の出来事と選挙後の動き







政見放送の一部音声削除


今回の東京都知事選において、7月23日にNHKで放送された政見放送の中で、後藤輝樹が性器の名称など不適切発言連発に対し、NHKは公職選挙法150条の2を適用、音声の大部分をカットした。過去に政見放送の音声がカットされた例としては、1983年の第13回参議院議員通常選挙において雑民党から立候補した東郷健がNHKで放送した政見放送(詳しくは「政見放送削除事件」を参照)がある[89][90][91][92]



特定の3候補に偏った報道


今回の東京都知事選の選挙期間中、各報道機関が、候補者21人中、増田寛也・小池百合子・鳥越俊太郎の3候補に偏った報道が目立ったことが一部の候補者から問題視された。幸福実現党の調査によると、7月18日から22日までの民放の主要ニュース4番組(『NEWS ZERO』(日本テレビ)・『報道ステーション』(テレビ朝日)・『NEWS23』(TBS)・『ユアタイム〜あなたの時間〜』(フジテレビ))のうち、主要候補以外を取り上げた時間がわずか3%にとどまるという[93]


7月23日に自由報道協会にて6候補(立花・中川・七海・上杉・山口・マック)による会見が行われ、25日に都選挙管理委員会と都庁記者クラブに対し「不平等な報道は公職選挙法と日本国憲法第14条に反するのではないか」という趣旨の抗議文を提出する意向を示す[94]


7月25日には山口・上杉・中川の3候補の呼びかけにより「政策を演説・討論する場を設けたかった」(山口)として新宿駅前にて合同演説会を行い、「主要候補」とされる小池を含め計12人が参加した[95]。山口によると、「主要候補」3人にも声を掛けたが、小池のみが応じたという[96]


7月27日には上杉・立花・七海・マック・内藤の5候補が自由報道協会にて会見を開き、連名でテレビ東京を除く在京の民放キー局(日本テレビ・テレビ朝日・TBS・フジテレビ)と放送倫理・番組向上機構(BPO)に、報道姿勢を改めるよう求める連名の要求書・請求書を送ったと発表した[97]。この要請があった27日から29日にかけて指摘のあった4番組のうち、『ユアタイム』を除く3番組において増田・小池・鳥越の3候補を除く18候補の選挙活動を報じている[93]



小池百合子と自民党の関係


今回の都知事選では、小池百合子は増田寛也を推薦した党方針に逆らって自民党を飛び出す形での立候補となり、また選挙期間中に自民党は所属の国会議員・地方議員に対し「家族・親族を含めて自民党公認(増田寛也)以外の候補を応援した場合除名などの処分対象とする」という文書を配布。選挙後に自民党は小池に何らかの処分を下すといわれていた[98]


ところが、今回の小池圧勝の結果を受けた自民党本部は、小池に対する除名をはじめとする厳しい処分を見送る考えを示した。2020年東京五輪に向けて協力関係が必要な国と東京都との関係に影響することや、都民の支持を集めた小池を処分することによる世論の反発を警戒したとみられる[99]。一方で、下村博文総裁特別補佐からは「反党行為だったことは事実」として、小池に対し党紀委員会で処分を検討すべきだとの声も上がっている[100]


なお、小池は都知事就任後に自民党総裁の安倍晋三首相と首相官邸で会談。その中では、2020年東京オリンピック・パラリンピックのために政府と東京都の円滑な連携を要請した。なお今回の会談では、自民党からの処分について会話されることはなかった[101]


また、今回の結果を受け、8月4日に行われた自民党東京都連の幹部会合で石原都連会長ら、都連幹部5人が選挙戦敗北の責任を取り、辞意を表明[102]。翌5日に行われた会合で都連幹部5人の辞任を正式に了承[103]


選挙後の9月、自民党の二階俊博幹事長は、若狭の処分について「厳重注意」とすることを決めた。また10月投開票の衆院東京10区補選の候補者公募に若狭が参加することも認めた[104]。その一方、小池支援に回った豊島、練馬の両区議会の自民所属議員計7人に対し、離党勧告処分を決定。なお、都連幹部は「10月末までにこの勧告に従わない場合は除名処分もあり得る」と説明[105]



脚注


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注釈





  1. ^ なお21人は、東京都知事選挙における立候補者の人数としては、歴代最多となる。


  2. ^ 1999年の都知事選では、自民党本部と公明党が明石康を、自民党東京都連が柿澤弘治・舛添要一・石原慎太郎の3人を、それぞれ推薦・支持した。


  3. ^ 過去、「姫路けんじ」「ひめじけんじ」名義で参院選・都知事選に立候補し落選。




出典




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外部リンク










  • 東京都選挙管理委員会












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