単科大学と総合大学
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単科大学(たんかだいがく)とは、小規模で単一の学問領域を教育・研究する大学の日本における呼称である。英称:college(カレッジ)。(小規模な総合大学と短期大学にも英語としてcollegeがあてはまる。)
総合大学(そうごうだいがく)とは、大規模かつ広範囲な学問領域について教育・研究する大学の日本における呼称である。英称:University(ユニバーシティ)。
目次
1 日本の単科大学・複合大学・総合大学
2 英語表記
3 以前の学校教育法の規定に基づく定義
4 日本の総合大学一覧
5 日本の単科大学一覧
6 脚注
7 関連項目
日本の単科大学・複合大学・総合大学
元々、総合大学とは、人文科学・社会科学・自然科学の3つすべての領域を専攻して総合的な教育研究を行う大学のことであった。「総合大学」という語のこの用法は、人文科学・社会科学・自然科学の3つすべての領域を専攻していた帝国大学が新制大学に移行する直前に国立総合大学(国立総合大学令〔大正8年勅令第12号〕に基づくもの、なお国立総合大学令は帝国大学令を1947年〔昭和22年〕に改称したものである)になったことを一つの論拠としていると考えられる。
文科系と理科系という、明治時代の過渡期に設けられたおおまかな分類上、双方が専攻できることをもって総合大学とすることもある。また、1990年代以降、学際分野を専攻する学部が増加して「境域分野の名称を冠する学部名」や「話題性のある語を用いた学部名」が登場した。同系統の学問分野のみで構成されている大学についても「○○系総合大学」などと総合大学の語を含むものの、諸科学にまたがって学問を専攻している総合大学ではないという、分かりにくい表現をしていることもある。こうした事情から複数の学部を設置している大学は、自らを「総合大学」と呼ぶことが多いもののその定義は曖昧であり、「医学部がない大学は総合大学ではない」「文系と理系のそれぞれが1つ以上あれば総合大学だ」などと「総合大学」という用語の定義を巡っては意見が分かれることが多い。
大学が自ら「総合大学」と呼ぶ理由として、少子化での受験生減少を背景に、単科大学や新設大学との差別化を目的としていることがあげられる。看板だけの総合大学も多いが、近年では「文理融合」や「学際教育」と呼ばれる学部間の連携を強化したカリキュラムを取り入れ、総合大学としての機能性を整える大学も増えつつある。また、単科大学と総合大学との合併する例もある。
単科大学でも、専攻分野を多数配置していたり、総合科学部や教養学部などの学際的分野の学部を設置して、総合大学的な機能を果たしている大学もある。
英語表記
「単科大学」「総合大学」はあくまで日本語での呼び方である。日本の単科大学は英語ではcollege(university以外)という名称を名乗ることが多いものの、英語では必ずしも、単科大学がcollege、総合大学がuniversityとなるわけではない点に注意を要する。
college (カレッジ)は、一定規模の教育組織を指し、大学の各学部、大学院をおく大学におかれる研究科群、大学の各キャンパス(校地)、学寮などを意味することがあり、必ずしも単科大学を指し示している語とはならない。イギリスおよびその連邦国では、中学・高校・補習校などにも使われる[1]。また、university は、各々の部門が連携して学問が取り扱われているところを意味しており、単科大学であっても、大学院の課程が設けられていれば、部門間の連携があると考えてuniversity と呼称される例もある。具体例として、アメリカでは伝統的なリベラルアーツカレッジのように大学院を持たない場合にcollege、大学院を有する場合にuniversityと、大学院の有無で呼称が区別される場合もある。
以前の学校教育法の規定に基づく定義
日本では、かつて学校教育法(昭和22年法律第26号)に設けられていた規定に基づいて、数個の学部を置く大学を「総合大学」と呼び、単に1個の学部をおく大学を「単科大学」と呼んでいた。
かつての学校教育法の第53条には、「大学には、数個の学部を置くことを常例とする。」と定められており、例外として「ただし、特別の必要がある場合においては、単に一個の学部を置くものを大学とすることができる。」と定められていた。この規定は、「国立学校設置法の一部を改正する法律」(昭和48年法律第103号)(通称: 筑波大学法)によって改正され、学部数に関する規定は、学校教育法から削除された。
旧規定 | 新規定 |
---|---|
第53条 大学には、数個の学部を置くことを常例とする。ただし、特別の必要がある場合においては、単に一個の学部を置くものを大学とすることができる。 | 第53条 大学には、学部を置くことを常例とする。ただし、当該大学の教育研究上の目的を達成するため有益かつ適切である場合においては、学部以外の教育研究上の基本となる組織を置くことができる。 |
日本の総合大学一覧
上記に基づき、文科系と理科系学部をそれぞれ1学部以上設置する大学を以下に列記する。どちらかが教育学部のみの大学は含まない。
国立:ほぼ一都道府県に一つ存在する(茨城県のみ二つ。山梨大学、宮崎大学を除く)。
北海道大学、弘前大学、岩手大学、東北大学、秋田大学、山形大学、福島大学、茨城大学、筑波大学、宇都宮大学、群馬大学、埼玉大学、千葉大学、東京大学、横浜国立大学、新潟大学、富山大学、金沢大学、福井大学、信州大学、岐阜大学、静岡大学、名古屋大学、三重大学、滋賀大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、奈良女子大学、和歌山大学、岡山大学、鳥取大学、島根大学、広島大学、山口大学、徳島大学、香川大学、愛媛大学、高知大学、九州大学、佐賀大学、長崎大学、熊本大学、大分大学、鹿児島大学、琉球大学
公立:名古屋市立大学、大阪市立大学、大阪府立大学、高知県立大学、北九州市立大学、長崎県立大学
私立:北海学園大学、石巻専修大学、東北学院大学、城西国際大学、青山学院大学、学習院大学、慶應義塾大学、東京理科大学、早稲田大学、立教大学、明治大学、中央大学、法政大学、成蹊大学、国士舘大学、駒澤大学、上智大学、創価大学、大東文化大学、拓殖大学、玉川大学、帝京大学、杏林大学、東海大学、東洋大学、日本大学、日本女子大学、明星大学、目白大学、関東学院大学、神奈川大学、常葉大学、愛知学院大学、愛知淑徳大学、金城学院大学、椙山女学園大学、中京大学、中部大学、南山大学、日本福祉大学、名城大学、京都学園大学、京都産業大学、同志社大学、同志社女子大学、佛教大学、立命館大学、龍谷大学、大阪大谷大学、関西大学、近畿大学、摂南大学、大和大学(予定)、関西学院大学、甲子園大学、甲南大学、神戸学院大学、姫路獨協大学、四国大学、徳島文理大学、松山大学、中村学園大学、福岡大学
その他、各系統の学科を並列に設置し、事実上の総合大学を形成する大学を以下に列記する。
国立:お茶の水女子大学、奈良女子大学
私立:国際基督教大学、津田塾大学、東京女子大学
日本の単科大学一覧
国立:東京工業大学、一橋大学、九州工業大学、北海道教育大学、室蘭工業大学、小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学、宮城教育大学、東京学芸大学、東京海洋大学、電気通信大学、名古屋工業大学、愛知教育大学、京都教育大学、京都工芸繊維大学、大阪教育大学、奈良教育大学、福岡教育大学、旭川医科大学、浜松医科大学、滋賀医科大学、長岡技術科学大学、豊橋技術科学大学、上越教育大学、兵庫教育大学、鳴門教育大学、鹿屋体育大学、政策研究大学院大学
公立 : 公立はこだて未来大学、釧路公立大学、名寄市立大学、青森公立大学、青森県立保健大学、国際教養大学、山形県立保健医療大学、山形県立米沢栄養大学、会津大学、茨城県立医療大学、秋田公立美術大学、前橋工科大学、埼玉県立大学、千葉県立保健医療大学、神奈川県立保健福祉大学、産業技術大学院大学、新潟県立看護大学、長岡造形大学、富山県立大学、石川県立大学、金沢美術工芸大学、石川県立看護大学、敦賀市立看護大学、都留文科大学、長野県看護大学、岐阜薬科大学、岐阜県立看護大学、情報科学芸術大学院大学、三重県立看護大学、京都府立医科大学、神戸市外国語大学、神戸市看護大学、奈良県立医科大学、奈良県立大学、新見公立大学、下関市立大学、香川県立保健医療大学、愛媛県立医療技術大学、九州歯科大学、福岡女子大学、大分県立看護科学大学、宮崎公立大学、宮崎県立看護大学、沖縄県立看護大学
脚注
^ Wikipedia英語版
関連項目
- 大学
- 学問
- 学部