動画共有サービス




動画共有サービス(どうがきょうゆうサービス、英語:video hosting service)は、インターネット上のサーバに不特定多数の利用者が投稿した動画を、不特定多数の利用者で共有して視聴できるサービスである。また動画投稿サイト(どうがとうこうサイト)と称される。




目次






  • 1 歴史


    • 1.1 ライブストリーミングの動画共有




  • 2 主な動画共有サービス


    • 2.1 終了した動画共有サービス


      • 2.1.1 北アメリカ


      • 2.1.2 南アメリカ


      • 2.1.3 西ヨーロッパ


      • 2.1.4 東アジア


        • 2.1.4.1 日本








  • 3 利用者


  • 4 著作権


    • 4.1 逮捕事例




  • 5 経済


  • 6 技術


  • 7 脚注


  • 8 関連項目





歴史


1997年、最初の動画共有サイト「shareyourworld.com」が開設[1]。このサイトは、個人が撮影したビデオをウェブで販売代行してくれるサービスだった[2]


初期における動画共有はサーバーに直接動画をアップするFTP(File Transfer Protocol)のアプリケーションにより行われていた。日本の動画共有サイトは少なくとも1998年から存在したが、サーバーのハードの容量や回線の細さから流行しなかった上にそのひとつ[3]はモザイク無しの猥褻映像の連続投稿ために閉鎖に追いやられた。2000年代前半、ファイル共有ソフトが流行した。Napster(1999年)やWinny(2002年)などである。しかし利用者のパソコンにファイル共有ソフトの用意が必要で、著作権法違反による逮捕やウイルス感染の心配があった。


動画配信サービスが乏しかった2000年代前半頃は、WMP(Windows Media Player)、RealPlayer、QuickTimeによる動画配信が主流だった[2]。WMPはWMP形式の動画をURLで開き、Windows Media Playerで再生する技術である。しかしこの技術は別途専用ソフトが必要であり、再生可能な環境も限られる。ブラウザ上で直接視聴もできない面倒な規格だったため、YouTubeなどの動画配信サービスが開始してから次第に使われなくなった[4]


2004年、動画共有サイトが次々と登場した。「Pandora TV」(10月)や「Vimeo」(11月)などである。


2005年も、動画共有サイトが次々と登場した。「google video」(1月)や「Dailymotion」(2月)、「YouTube」(2月)などである。ブラウザ以外に特別なソフトウェアが不要で、ブログやSNSとの連携も容易だった。


2006年、ブームが始まった。日本でも[5]利用者は1年間で16倍に増え、1100万人を超えた[6]。この頃、「Veoh」(3月)や「Stage6」(8月)、YouTubeとAmebaVisionの動画にコメントを付けられるサービス「ニコニコ動画(仮)」[7][8](12月)が登場した。googleがYouTubeを買収したのも、この年である(10月)。


日本人利用者がYouTubeやStage6に押し寄せた[9][10][11]。海外から流入したトラフィック量(年2回測定)は2006年5月以降の1年間で1.7倍に急増した[12]、特に2006年11月以降の伸びが激しかった。一方、韓国では有名歌手のダンスの物真似などUser Created Contentがブームになった[13]


2007年、YouTubeなど動画投稿サイトの動画にコメントを付けられるサービスの「ニコニコ動画(β)」「字幕.in」「ニフニフ動画」[14]、YouTubeをテレビのように連続再生する機能とYouTubeをテレビで見る機能を備えた動画サービスの「Rimo」「DARAO(ダラオ)」「CGM TV! DOGGAWii(ドガウィー)」「oreseg(オレセグ)」[15]など動画投稿サイトのAPI機能を利用したマッシュアップサービス拡大した[16]。日本の利用者は1年で倍増し、約2400万人に達した[6]。この年、YouTubeのAPIを活用したサービスのうち「ニコニコ動画」だけが、YouTubeからアクセス拒否された[17][18]。その結果、「ニコニコ動画」は、独自の動画投稿サービスを開始した[19]


政治経済など一般社会を巻き込んで様々な試みが行われるようになった。2008年アメリカ合衆国大統領選挙の選挙活動[20]に初期から使われた。UCCとしてオバマ・ガールの動画投稿があった。日本でもYouTubeのサービスが正式に始まった(6月)。外山恒一の政見放送が非公式に投稿された。初音ミクが登場し権利を獲得していった(詳細は初音ミク#初音ミクを巡る騒動を参照)。


2008年、動画共有サイトは世界的に普及した。優酷網の急速な成長が日本でも話題になった[21]。日本の利用者は約3200万人に達した[22]。高速な光回線が主流となった(6月)[23]。涼宮ハルヒの憂鬱や時をかける少女の口コミなど成功事例が出てきた為、Consumer Generated Mediaに対する著作権者の眼も和らいだ。角川やJASRACなどが前向きな対応をするようになった[11][24]


2009年、YouTubeの動画視聴回数は10億回/日を超え圧倒的な存在である。世界の動画共有のインフラとなっている[25]。このインフラを使って、スーザン・ボイルのように世界中の注目を集める事も出来るようになった。スーザン・ボイルの動画は1億回視聴されたと言われている[26]



ライブストリーミングの動画共有


1993年頃からMboneを利用したインターネットを使ったライブ配信が行われていたが、動画共有サイトの活況は、ライブストリーミングの動画共有の可能性も喚起した。


2005年に「Stickam」、2007年に「Ustream」(3月)や「ニコニコ生放送」(12月)が始まった。それらは、チャット機能と視聴者からの投票機能、アーカイブ(タイムシフト)機能を備えたライブストリーミングの動画共有サービスだった。



主な動画共有サービス












































































































































































































































































































































































































































































































動画共有サービス
サービス名
運営会社/所有者
設立年


使用言語

アレクサ

ランキング



備考

YouTube
YouTube, LLC

Alphabet Inc.


2005年

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
76言語
2
2006年10月にGoogle傘下となる。

Pornhub
MG FREESITES

MindGeek





29
アダルト動画サイト

XVideos
WGCZ Holding


 チェコ

46
アダルト動画サイト
xHamster
hammy media, ltd.


キプロスの旗 キプロス

61
アダルト動画サイト

ニコニコ動画

DWANGO Co.,Ltd.

カドカワ株式会社


2006年

日本の旗 日本
日本語
121
画面上にコメントが流れる機能がある。

当初は、YouTubeとAmebaVisionの動画共有サイトの動画上にコメントを付けられるサイトだった。


2007年3月に動画投稿サービス「SMILEVIDEO」を開始したことで、動画共有サイトとなる[27]



Dailymotion
DAILYMOTION SA

DAILYMOTION INC


Vivendi SA


2005年

フランスの旗 フランス
18言語
133


Vimeo
Vimeo, Inc

IAC


2004年

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
英語
143


YouPorn

MindGeek



198
アダルト動画サイト

RedTube
MG Content RT Ltd

MindGeek





226
アダルト動画サイト
tube8

MindGeek



590
アダルト動画サイト
Xtube

MindGeek



879
アダルト動画サイト

LiveLeak

2006年

イギリスの旗 イギリス
英語
1,687


Pandora TV
PANDORA TV CO.,LTD
2004年

大韓民国の旗 韓国
朝鮮語
2,578
日本からの利用者が多い[28]

FC2動画

FC2,Inc.
2007年

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
12言語

画面上の上部分にコメントが流れる機能がある。

アダルト動画にも対応。日本からの利用者が多い。



Veoh

FC2,Inc.
2007年

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
英語
12,060


BitChute



アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
英語
7,602
BitTorrent技術を利用したP2Pベースの分散型動画共有サービス

Metacafe

2003年

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
英語
12,055


Youku

阿里巴巴集団
2006年

中華人民共和国の旗 中国
中国語
257


Tudou

阿里巴巴集団
2005年

中華人民共和国の旗 中国
中国語



IQIYI

百度


中華人民共和国の旗 中国
中国語



56.com

捜狐


中華人民共和国の旗 中国
中国語



テンセントビデオ

テンセント


中華人民共和国の旗 中国
中国語



Bilibili
Bilibili Inc.


中華人民共和国の旗 中国
中国語
64
画面上にコメントが流れる機能がある。

AcFun
北京弹幕网络科技有限公司

快手




中華人民共和国の旗 中国
中国語

画面上にコメントが流れる機能がある。

TikTok
BYTEMOD PTE. LTD.

ByteDance




中華人民共和国の旗 中国
34言語



PeerTube



世界の旗 世界


BitTorrent技術を利用したP2Pベースの分散型動画共有サービス[29]

動画共有サイト作成ソフト。



viuly



6言語
5,060
ブロックチェーンを活用した分散型ビデオ共有プラットフォーム[30]
DTube[31]





ブロックチェーンを活用した分散型ビデオ共有プラットフォーム
VIDMAX



キプロスの旗 キプロス

46,493


Facebook
Facebook, Inc.


アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
102言語

ソーシャル・ネットワーキング・サービス

Instagram
Instagram, LLC

Facebook, Inc.




アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国


写真共有アプリ
Dropshots
WebMinds, Inc.


アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国


写真&ビデオ共有サービス

Twitter
Twitter, Inc.


アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国


ソーシャル・ネットワーキング・サービス

MySpace
Meredith Corporation


アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
英語

ソーシャル・ネットワーキング・サービス

かつて日本版をソフトバンクとニューズ・コーポレーション


との合弁会社が運営[32]



Newgrounds



アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
英語

動画は、アニメコンテンツのみ。

SchoolTube



アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
英語
119,095

K-12向け動画共有サービス

Rumble
Rumble Inc.


カナダの旗 カナダ
英語
2,491


EngageMedia
EngageMedia Collective Inc.
2005年

オーストラリアの旗 オーストラリア
英語インドネシア語



Rutube
GazProm Media
2006年

ロシアの旗 ロシア
ロシア語



VK

Mail Ru Group Ltd


ロシアの旗 ロシア
86言語

ソーシャル・ネットワーキング・サービス
kakaoTV

Kakao Corp.


大韓民国の旗 韓国
朝鮮語



Tvple



大韓民国の旗 韓国
朝鮮語


rediff.com
Rediff.Com India Ltd


インドの旗 インド
英語



Tune.pk

2006年

 パキスタン
英語



Aparat



イランの旗 イラン
ペルシア語


İzlesene.com



トルコの旗 トルコ



Vidivodo



トルコの旗 トルコ




Trilulilu



 ルーマニア
ルーマニア語



Vbox7



 ブルガリア
ブルガリア語


Videoclip.bg



 ブルガリア
ブルガリア語


Dumpert
Telegraaf Media Groep


オランダの旗 オランダ




Internet Archive



アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国




ウィキメディア・コモンズ



アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
287言語

























































法人向け動画ホスティングサービス
サービス名
運営会社/所有者
設立年


備考
IBM Cloud Video(Ustream)

IBM
2007年

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
一般配信者向けに月額プランがある(月額プランの延べ視聴時間を超えてしまった場合、

超過料金が加算される)。


かつてアジア地域をソフトバンク子会社のUstream Asiaが運営。



Wistia
Wistia Inc.
2011年

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
プロ配信者向けに月額プランがある(動画数10本を超えると、

超過料金が加算される)。動画3本無料の初心者版もある。



JW Player
LongTail Ad Solutions, Inc.
2005年

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
初期のYouTubeに使用されていた埋め込み動画プレイヤー[33]

Vidyard
Buildscale Inc.


アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国


Brightcove
Brightcove, Inc.


アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

J-Stream Equipmedia[34]

Jストリーム


日本の旗 日本



終了した動画共有サービス



北アメリカ



  • Google Video

  • Soapbox[35]


  • blip.tv[36]

  • EyeSpot[37]


  • Revver - 世界で初めて広告収入を映像制作者に分配する仕組みを導入した[38]


  • Grouper (業態転換[39]) - 米国ソニーが買収[40]

  • GUBA

  • Yahoo! Video

  • Jumpcut[41]

  • Stage6


  • Crunchyroll(VODに業態転換)

  • Vine

  • LiveVideo - 閉鎖後にドメインを取得した中国のサイトとは別

  • VReel

  • YourFileHost

  • Break.com



南アメリカ



  • Anitube (ブラジル)


西ヨーロッパ




  • Wat tv(フランス)

  • sevenload(ドイツ)

  • MyVideo(ドイツ)


  • MaYoMo(オランダ)



東アジア



  • UUME(中国)[42]


  • MEGAVIDEO(香港)


  • 6.cn(中国) - ライブ動画に業態転換

  • I'm vlog[43](台湾) - 日本版も展開していた[44]


  • Daum(韓国) - ライコスクリップにシステム提供[45]



日本


  • FlipClip[46]

  • Movie Caste[47][48]

  • mooom.jp[49][50]


  • TVbreak - パンドラTVの日本版


  • フォト蔵[51](動画共有サービスを終了) - かつてソフトバンク傘下のジンガジャパン(旧ウノウ)が運営

  • SEEBOX STUDIO[52]

  • PeeVee.TV(動画投稿サービスを停止) - エキサイトドガログ[53]、旅ドガ[54]、毎日動画[55]、楽天動画チャンネル[56]、ちょびリッチVISION[57]にシステム提供。

  • Any TV[58]


  • ワッチミー!TV[59] - フジテレビラボLLCが運営。


  • AmebaVision[60]


  • Askビデオ[61](日本) - トランス・コスモス傘下のJストリームを利用した動画共有サービス[62]

  • ClipCast[63]


  • GREE[64]

  • EbiTV![65](MyRepo.TV[66]


  • goo ClipLife[67]


  • みなくるビデオ[68]

  • ビデオポップ[69] - ウノウ(後のジンガジャパン)が運営。全キャリア対応のモバイル動画共有サイト。

  • jigチャンネル[70]

  • RAGUUN[44] - 字幕.inに動画投稿機能を提供[71]


  • zoome[72] - ソフトバンク傘下のアイティメディアが買収


  • mixi動画[73]

  • Yahoo!ビデオキャスト[74] (日本)- Yahoo! JAPANのサービス


  • eyeVio[75] - かつてソニーが運営


  • ニフティービデオ共有[76]

  • Catchy!(キャッチー)[77]


  • OnAir[44]

  • ミヤング[78]

  • OKVideo[79]


  • ediPa[80]

  • MOSSA[81]

  • なんとか動画

  • zump[82]

  • mofur[83]



利用者


各種調査によると、日本では動画共有サービスは若者・中年(20代〜40代)が音楽やUGCを見るために利用している。アニメも人気がある。一方、動画配信サービスは老人(50代〜60代)が映画やテレビ番組を見るために利用している[84]。アメリカでは中年以上の世代にニュース動画も人気である[85]


動画共有サービス利用者の6割以上は週1回以上利用している。毎日利用するヘビーユーザーは1割程度で、半数は1回の利用時間が30分以下である[86]。しかし10代は4人に1人がヘビーユーザーである[87]



著作権






著作権者の承諾を得ずに、市場で流通している音楽や動画のコンテンツをアップロードする行為が常態化している。そもそも初期のYouTubeの人気はサタデー・ナイト・ライブの無許諾投稿によって火が付いたと言われている[88]。ただし、著作権者によると思しき投稿も少数であるが見受けられる(これはコンテンツ宣伝目的に利用していると目される)。


多くの動画共有サイトは、アップロードの違法性の判断は、コンテンツの著作権者に限って委任する態度を取っている。すなわち、著作権者からの違法アップロードのクレームが提出されない限りは、コンテンツの違法性について判断しないと言う事である。著作権者以外の第三者からの違法アップロードのクレームは受け付けないとするサイトが多い。(第三者が動画共有サイトに対して、アップロードされたコンテンツの違法性について通報ないし問い合わせする事自体を、「違法」と主張している場合が多い。)


このような状況から、動画共有サイトは著作権侵害という意見がある。しかしYouTubeは初期から、個別の削除要請(Notice&Take down)に応じ[89]、ライセンス料[90]を支払うと共に、責任は投稿者にある、動画投稿サイトはオンラインサービスプロバイダであり、デジタルミレニアム著作権法のセーフハーバー条項で免責されると主張していた[91]。また権利擁護団体からは全ての投稿が違法ということはなく、フェアユースで認められる投稿もあるという意見もあった[92]


これに対して、著作権者はVeoh(2006年)やYouTube(2007年)などに対して著作権侵害訴訟を起こした[92]。結果はVeohやYouTube自身の著作権侵害を認めない(VeohやYouTubeの勝訴)ものだった[93][94]。一方、ユーザーも著作権者に対して訴訟を起こした。これは、フェアユースに該当する動画を、著作権者が動画共有サイトに対して削除依頼をした件に対して取消請求をするものであり[95]。ユーザーが勝訴する事例も出た[96]


日本では、著作権者が2006年から対策を求めるようになった[97][98]。2008年、YouTubeはJASRACに対して、著作権料を支払うことにした。


しかし日本の著作権法にはフェアユースやNotice&Take downの規定がない。Notice&Take down規定があれば、著作権者の申し出を受けて動画共有サイトが削除した後に、著作権者と投稿したユーザーが権利侵害について事後的に話しあうことが出来る。しかしプロバイダ責任制限法では、事前に権利侵害の判断がなければ削除できない。またユーザーは権利侵害と判断されれば、いきなり処罰されてしまう[99]。この他にもIP放送を放送ではなく自動公衆送信(通信)と扱う事で、地上波番組の放映や著作権処理を難しくしているという意見もある[100][101]。2008年にはインターネット時代に対応した「ネット法」を制定すべしとの議論が提起された[99]


しかし2010年施行の改正著作権法では[102]ダウンロードは違法化され[103]、日本版フェアユースも先送りされた[104]。ストリーミング配信の閲覧に影響はないが[103]、投稿者からは逮捕者が出た。6月、Youtubeへの動画(週刊少年ジャンプの漫画を撮影した動画)の投稿をした中学生が、著作権法違反容疑により逮捕されたのである[105]


さらに2012年施行の改正著作権法では、録音または録画にあたる有償著作物等のダウンロードが刑事罰化された。これについては具体的効果に疑問があったと言う意見がある。


さらに2018年(平成30年)12月30日から著作権法における非親告罪化に関して、「TPP関連法案国会審議」に基づく同法の改正案が可決成立し、非親告罪化規定が、TPP11協定発効日である2018年(平成30年)12月30日から施行される事が決定した[106]



逮捕事例



  • 2010年6月14日、名古屋市中区の中学3年生の男子生徒がONE PIECEなど、主に「週刊少年ジャンプ」に掲載されている日本の漫画を著作権者に無断で公開し、YouTubeにアップロードしたとして京都府警察に逮捕された[107]

  • 2011年5月11日、嵐のコンサート映像とバラエティー番組をYouTubeにアップロードしていたとして男が逮捕された[108]

  • 2011年5月24日、ニコニコ動画に映画をアップロードした人を逮捕[109]

  • 2011年7月26日、仮面ライダーのテレビ番組をFC2動画にアップロードした人を逮捕[110]。その他、別事件で、FC2動画にアップロードした2名を逮捕した。

  • 2015年1月5日午後7時ごろ、万引をしたように見せかける虚偽の動画を撮影する目的で、武蔵野市のコンビニエンスストアに侵入したとして、1月18日に東京都に住む19歳の少年が捜査員によって米原駅で逮捕された。少年は逮捕容疑以外にもスーパーマーケットの店内にあるスナック菓子につまようじを混入させたり、スーパーやコンビニ・鉄道駅構内の売店での万引き(を装っている様子)をスマートフォンで撮影した動画を投稿した。その後自宅を出て逃走し逮捕に至る[111]。少年は2013年には「博多駅で通り魔をやる」と予告した動画をYouTubeに投稿し、(直前の万引き行為の容疑で)逮捕されている。[112][113]

  • この他にも、自動車を一般道路などで法定速度を超えて運転するいわゆる速度違反を行ってその様子を公開したことによって視聴者から警察に通報されて逮捕や書類送検に至ったケースもある。



経済


動画共有サイトをどのようにビジネスに利用するかは定まっていない。しかし多数の利用者が居り、ビジネスチャンスがある。企業はYouTubeに公式チャンネルを作るなどして、試行錯誤を繰り返している。


動画共有サイトはバイラルマーケティングに利用できる事が分かっている。「メントス&コーラ」は1000万ドルの広告効果があったと言われている。これはメントスの製造会社の年間宣伝広告費の半分に相当する[88]。角川グループは 動画利用の公認バッジ制度を設立して、動画再生閲覧やエキジビジョン数を増大させた。広告収入も伸びた[114][115]


音楽業界にとっては、動画共有サイトはCDを購入しない原因の3割を占める商売敵である。しかし、音楽はパソコンを使ってYouTubeで聞く人が最も多い。製品の認知・購入のきっかけでもトップ10に入っており、FMラジオやテレビCM・ドラマとのタイアップと効果は変わらない。CD購入が最も多い男子学生には、特に効果がある[116]


一方、動画共有・動画配信サイトの運営にはコストがかかる。事業仕分けの中継は予算の制約で、300人分の回線しか用意できなかった[117]。神保哲生によれば、会員数1万人の有料動画配信サイトで同時アクセスのピークに対応するには50万円/月のサーバー代がかかる[118]。YouTubeのように数億人単位のユーザーを持つ動画サイトは通信料やコンテンツのライセンス料などで大赤字という説[119]がある。しかし自社回線で通信料はほぼゼロという説もある[120]。動画配信のコストはまだ高い水準だが、Amazon CloudFrontのようなクラウドを使うことで、下がっていく可能性がある。



技術


基本的にはストリーミング型を採用している。JoostのようにP2Pを採用した物や、VeohのようにP2Pを併用した物もある。しかしあまり人気がない[121]。YouTubeやニコニコ動画はファイルフォーマットとして、Flash Videoを使用している。GyaO!はMicrosoft Silverlightを使用[122]している。YouTubeなど一部の動画共有サービスではHTML5 OpenVideoへの対応も始まっている[123]


動画はテキストと比べて、回線やサーバーの負荷が大きい。コンテンツデリバリネットワークの利用など対策を行っている。また通信業者からはインフラただ乗りの批判がある。しかし、GoogleはYouTubeで増大した日米間の通信に対応するために、海底ケーブルを敷設している[124]


著作権者の要請により、著作権侵害検出技術が使われている。動画の特徴を事前に登録し、照合する電子指紋方式(フィンガープリント方式)。撮影機器や編集の様子などからプロが作成した動画かどうか判定するプロアマ判別方式(KDDI研究所)などがある[125]。電子指紋方式はYouTubeやニコニコ動画[126]、My Spaceなどで使われている。



脚注





  1. ^ “First Video Sharing Site Paved the Way for YouTube — ShareYourWorld.com Was There First to Launch Ten Years Back – Beet.TV” (英語). Beet.TV - The Root to the Media Revolution. (2007年7月7日). http://www.beet.tv/2007/07/first-video-sha.html 2018年11月26日閲覧。 

  2. ^ ab“インターネットマガジン2001年3月号 (pdf)”. インプレスR&D. 2018年11月26日閲覧。


  3. ^ kamisama.orgなど


  4. ^ 陛下の「お言葉」動画、まさかのWMP形式にTwitterユーザーびっくり 「Windows Media Player」がトレンドに


  5. ^ 後藤大地 (2006年8月31日). “動画共有サービスの潮流、YouTube、GUBAからDivX Stage6まで”. マイコミジャーナル. 2010年2月17日閲覧。

  6. ^ ab増田覚 (2008年1月21日). “2007年に動画共有サイトを訪問した人は2,431万人、2006年から倍増”. INTERNET Watch. 2010年2月18日閲覧。


  7. ^ 「「ネットはもうからないという幻想、壊したい」 川上会長が語る、ニコ動のこれまでと今 (1/2)」『』。2018年11月26日閲覧。


  8. ^ “「新しい価値を作った」ニコニコ動画(β)監修の西村博之氏インタビュー”. internet.watch.impress.co.jp. 2018年11月26日閲覧。


  9. ^ 永沢茂 (2006年4月27日). “「YouTube」日本から212万人が訪問、平均利用時間は米ユーザーを上回る”. INTERNET Watch. 2010年2月17日閲覧。


  10. ^ 田村奈央 (2006年12月13日). “米ディビックスがDivXの現状を説明、「Stage6のアクセスは半分が日本から」”. IT Pro. 2010年2月17日閲覧。

  11. ^ ab“ネット社会 急成長の舞台裏(2)投稿サイト ヒット生む”. 読売新聞 (2008年8月7日). 2010年2月22日閲覧。


  12. ^ “我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算”. 総務省 (2007年8月22日). 2010年2月18日閲覧。


  13. ^ 宋恩實(ソング・ウンシル) (2008年9月30日). “日本と韓国の動画サイト比較1―現状”. インターネットコム. 2010年2月22日閲覧。


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  15. ^ ““YouTubeテレビ”続々 Wiiでネットとテレビが融合”. ITmedia NEWS. 2019年1月9日閲覧。


  16. ^ “Rimoだけじゃない、YouTubeマッシュアップサービスを比較”. ASCII.jp. 2019年1月9日閲覧。


  17. ^ “ニコニコ動画の一時休止で、「字幕.in」が1日200万PVに”. RBB TODAY. 2019年1月9日閲覧。


  18. ^ “ニコニコ動画、YouTubeからアクセス規制されて閉鎖”. GIGAZINE. 2019年1月9日閲覧。


  19. ^ “「ニコニコ動画」再開、動画投稿サイト「SMILEVIDEO」も同時オープン”. impress.co.jp. 2019年1月9日閲覧。


  20. ^ 青木大我 (2007年6月15日). “CNNとYouTubeが米大統領選で提携、候補者討論会への質問を動画で受付”. INTERNET Watch. 2010年2月17日閲覧。


  21. ^ 野津誠 (2008年3月26日). “中国の動画共有サイト「優酷網」の利用者が日本でも増加”. INTERNET Watch. 2010年2月22日閲覧。


  22. ^ “動画共有サイト 接触状況 時系列推移”. ビデオリサーチ インタラクティブ (2008年). 2010年2月22日閲覧。


  23. ^ “ブロードバンドサービスの契約数等(平成20年6月末)”. 総務省 (2008年9月17日). 2010年2月27日閲覧。


  24. ^ 永井美智子(編集部) (2008年10月23日). “YouTube、ついにJASRACと音楽著作権の包括利用許諾契約を締結”. CNET Japan. 2010年2月22日閲覧。


  25. ^ Michael Arrington (2009年6月10日). “YouTubeビデオの再生回数、1日10億回を超える”. TechCrunch. 2010年2月26日閲覧。


  26. ^ Katherine Haddon (2009年5月28日). “世界の注目集めるスーザン・ボイルさん、いよいよ決勝”. AFPBB News. 2010年3月25日閲覧。


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関連項目



  • en:List of video sharing websites

  • ライブ動画配信サービス

  • インターネットテレビ

  • ビデオ・オン・デマンド





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