日本国籍
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
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日本の国籍である日本国籍(にほんこくせき、にっぽんこくせき)は、国籍法によって規定される。
国籍法(昭和25年法律第147号)では「日本国民たる要件」を定めており、日本国籍を所有する者が、すなわち日本国民であるとみなされる。原則として父母両系血統主義を採用しているが、一部帰化による取得も認められている。
目次
1 概説
2 日本国籍の実際
2.1 取得
2.1.1 出生・準正による取得
2.1.2 帰化による取得
2.2 喪失
2.3 重国籍の制限
3 証明
4 主権者としての日本国民
5 日本国民を要件とする例
5.1 政党・政治団体
5.2 その他
6 脚注
7 関連項目
8 外部リンク
概説
日本国籍は、父親または母親が出生時に日本国民であった者、外国籍から帰化した者などが有する。1984年(昭和59年)まではいわゆる父系血統主義(父が日本国籍で母が外国籍の場合の子は日本国籍、逆の場合は出生による自動的日本国籍取得は不可であり帰化のみ可)であったが、その後は母系に関する制限はなくなっている。当該制度変更の際には、旧制度下の一定の期間内(1965年(昭和40年)1月1日から1984年(昭和59年)12月31日まで)に生まれた母系の者に対して3年間の時限的経過措置(届出による日本国籍即時取得)が採られた。
なお、天皇と皇族のみ、日本国籍者ではあるが人権を保持しまた義務を果たさねばならない国民ではない(日本国憲法第1章と皇室典範に特別に規定が存在する)。
日本国籍の実際
取得
出生・準正による取得
国籍法では次の3つを出生による日本国籍取得の条件とし、これらの事例では自動取得となる[1]。この他、「準正」による取得は届出により取得できるとしている。
- 出生の時に父又は母が日本国民
- 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民
- 日本で生まれ、父母がともに不明のとき又は国籍を有しないとき
帰化による取得
国籍法では帰化により、外国籍であった者が日本国籍を取得できるとしている。帰化には法務大臣の許可が必要で、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない事となっている。
- 引き続き5年以上日本に住所を有する事。
- 20歳以上で本国法によって行為能力を有する事。
- 素行が善良である事。
- 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営む事ができる事。
- 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべき事(多重国籍の制限)。
- 日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊する事を企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入した事がない事。
この他に日本人の配偶者や日本国籍をかつて有していた者の子など、上記条件に当てはまらない事例でも許可する事が出来るとする事例がある。また、「日本に特別の功労のある外国人」は上記によらず国会の承認を得て帰化を許可する事が出来るともしている。帰化が許可された場合官報に掲示される。
喪失
国籍法では下記の場合は日本国籍を喪失すると規定している。
- 自己の志望によつて外国の国籍を取得したとき
- 出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれた者(両親が日本国民で出生地主義の国で生まれた場合や、父または母の一方が血統主義を採用する外国籍であって日本国外で生まれた場合など)が、日本国籍を留保する意思を表示しない場合
他に、他の国籍を有する日本国民は、法務大臣に届け出ることによって国籍を「離脱できる」としている(「喪失する」ではない)。
重国籍の制限
他の国籍と日本国籍を有する成人の重国籍者は、多重国籍になった時点から2年以内にいずれかの国籍を選択しなければならない。日本国籍を選択する場合は、他の国籍を離脱するか、または日本国籍を選択する旨の宣言をして他の国籍の離脱に努めなければならない。ただし、日本国籍を選択した者が他の国籍を離脱しなかった場合(故意・懈怠・不可抗力など原因の如何を問わない)の罰則規定はない。
証明
戸籍全部事項証明書の例
日本国旅券の外務大臣要請文と名義人の身分事項ページ
日本の場合、国籍法では国籍の取得方法等に関する規定はあるものの、国籍を国家が一元的・直接的に登録・管理・証明する記録制度(他国における国民登録制度に相当するもの)が規定されておらず、戸籍法に基づき作成・管理される戸籍簿(市区町村管理)が事実上の国籍登録であり、さらにそれに基づいて日本国政府(外務大臣(外務省)所掌)より発行される「日本国旅券」(パスポート)が、日本国外における日本国籍証明の役割を果たしている。ちなみに、特別永住者には「日本国籍を所持していない」ことから、日本国旅券は発行されない。
主権者としての日本国民
日本国憲法は、日本国民が宣言・規定する立憲主義であり、日本における主権在民を明確に謳っている。「公務員を選定し、及びこれを罷免する権利」(日本国憲法第15条)は日本国民固有の権利としている。即ち日本では日本国籍を有する者(日本国民)のみ参政権があり、これは基本的には居住国に関係がない(在外選挙)。
日本国民を要件とする例
日本国内において、法制度外で日本国民のみ参加が可能であることを明記している主なものは次の通りである。(政治資金規正法では日本国籍を有しない者が党員登録し通常会費、政治資金パーティー参加し同会費を支払う事は、政治献金と異なり、抜け道で罰則規定は無い)
政党・政治団体
- 自民党
- 民主党 (日本 1998-2016)
- みんなの党
- 日本維新の会
- 新党改革
- 日本共産党
- 新党大地
- 維新政党・新風
その他
国民体育大会 - ただし、永住外国人などは例外的に参加可能[2]。
脚注
^ 国籍法第二条。[1]
^ “国民体育大会参加資格 (PDF)”. 日本スポーツ協会. 2007年10月11日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2008年11月21日閲覧。
関連項目
- 在外日本人選挙権訴訟
- 婚外子国籍訴訟
- 特別永住者
- 国籍条項
- 市民権
- 参政権
- 移民
- アメリカ合衆国の市民権
外部リンク
国籍法(法務省)
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