潰瘍
潰瘍(かいよう、英語:ulcer)とは皮膚や粘膜や眼球(角膜や結膜)などを覆う上皮組織、すなわち被覆上皮が欠損しその下層の組織に至った状態。
潰瘍より軽度の被覆上皮損傷で、肉眼的には上皮が欠損しているが顕微鏡的に上皮粘膜内に留まり、その下層に至らないものはびらん(糜爛、英:erosion)と称される。
目次
1 種類
1.1 口腔潰瘍
1.2 消化管潰瘍
1.3 皮膚潰瘍
1.4 陰部潰瘍
2 関連
種類
口腔潰瘍
- 物理的刺激によるもの
- いつも口腔粘膜(舌を含む)の同じ位置が、歯列の不整や自咬癖などのために歯牙によって、また適切に装着されていない補綴物・補綴装置(義歯等)との接触によって、刺激されていると潰瘍を生じやすい。これを慢性刺激口腔潰瘍という。
- 免疫反応によるもの
膠原病による口腔潰瘍は留意すべきもののひとつである。(特に全身性エリテマトーデス、ベーチェット病)また感染症による発熱のため口腔潰瘍を呈するものもいる。
消化管潰瘍
詳細は「消化性潰瘍」を参照
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、頻度が高く健康への影響が大きいため、言わば「代表的な潰瘍」。また消化管発生の悪性腫瘍(食道癌・胃癌・大腸癌)の多くは潰瘍形態を呈してくる。
皮膚潰瘍
詳細は「皮膚潰瘍」を参照
皮膚は人体で最も面積の広い器官である。皮膚潰瘍の深さや重症度の分類法がいくつかあり(メルクマニュアル分類、全米褥瘡諮問委員会 (NPUAP) 分類、ワグナー分類など)、回復や悪化の具合を情報伝達する際の利便が図られている。
陰部潰瘍
詳細は「陰部潰瘍」を参照
陰部は病原微生物が寄生しやすい環境にあり、種々の性感染症の結果として陰部潰瘍が生じることがある。
関連
- 炎症
- 膿瘍
病理学/口腔病理学
医学/歯学