陣屋











復元された兵庫県佐用郡佐用町乃井野の旧三日月藩政庁三日月陣屋





兵庫陣屋絵図/神戸市立博物館蔵


陣屋(じんや)は、江戸時代の幕藩体制における、大名領(藩)の藩庁が置かれた屋敷、また徳川幕府直轄領の代官の住居および役所が置かれた建物のことである。




目次






  • 1 概要


  • 2 構造


  • 3 三大陣屋


  • 4 建物が現存する陣屋


  • 5 復元された陣屋


  • 6 遺構が一部残る陣屋


    • 6.1 北海道・東北地方


    • 6.2 関東地方


    • 6.3 中部地方


    • 6.4 近畿地方


    • 6.5 中国地方


    • 6.6 四国地方


    • 6.7 九州地方




  • 7 建物が現存しない陣屋


    • 7.1 北海道・東北地方


    • 7.2 関東地方


    • 7.3 中部地方


    • 7.4 近畿地方


    • 7.5 中国地方


    • 7.6 九州地方




  • 8 その他の用法


    • 8.1 「2」の用法においての陣屋で現存する建築




  • 9 脚注


  • 10 関連項目





概要




天領の陣屋(高山陣屋御門 岐阜県高山市)


一般的に3万石以下の城を持たない大名が陣屋を持った、また上級旗本も知行地に陣屋を構えた。さらに大藩の家老の所領地である知行所の政庁が置かれた屋敷も含まれる。飛地を所領に持つ大名が、現地の出張所として陣屋を設置することもあった。また、箱館奉行所や長崎奉行所なども陣屋として扱われることがある。さらには幕府直轄領地である支配所に置かれた代官所を含む場合もある。領主の領地の居地をあらわす用語は、城主の居城に対して、陣屋を居地とする場合は在所という。


陣屋に藩庁を置く大名のことを無城大名あるいは陣屋大名と呼んだ。無城大名が城主格大名へ昇格した場合、国許の陣屋を城[1]に転換することは許されず、実際には城門の構築を許されるのみであった。



構造





岡山市の足守藩足守陣屋の小規模な堀と石垣


陣屋は城郭に比べて簡略化されており、行政・居住の機能しか持ち合わせていないものが多かった。塀で囲った敷地内または外に、長屋または小屋など、各地で呼び名は異なるところはあるが部下が住まう屋敷と、中央となる役所と、奥向きである本陣が造られることが多かった。


所により、旧城地や城郭のように小高く造る場合もあり、特に小藩の大名陣屋では、園部陣屋や菰野陣屋(三重県菰野町)のように幕末(明治元年)に至って天守に見立てた隅櫓や水堀、低い石垣や土塁を築いたり、森陣屋(大分県玖珠町)のように隣接する神社境内に石垣を多用したり、天守に見立てた2階建ての茶屋を建てるなど、城郭を模したものもあった。


幕末に建築された松前藩の戸切地陣屋(北海道北斗市)のように、稜堡式の土塁と砲台を構築し限定的に軍事機能を持たせた例もある。さらに田野口藩の田野口陣屋のように、本格的とは言えないまでも西洋の星形要塞の様式で建築され、龍岡城と呼ばれた例もある。



三大陣屋


上総国飯野陣屋、越前国敦賀陣屋、周防国徳山城を三大陣屋という。



建物が現存する陣屋


大規模な城郭と比較した場合、規模も構造も、建造物も簡素であったことが多く、大名家自体もさほどの石高を持たない、いわゆる権威のない史跡、と思われがちである。ゆえに廃藩置県後に容易に取り壊され、用地も整地されて現存しない例が多い。(「全国城郭存廃ノ処分並兵営地等撰定方」参照)また、歴史的有名人(有名家系)が居住したり、天守や大規模な石垣や構造物を持つ、というような「目立つ大城郭」と比べ、地元住民や行政側の扱いもいい加減になりがちであり、保存や復元、歴史的検証または顕彰がおざなりになりがちである。




  • 高山陣屋(岐阜県高山市)飛騨郡代の役所、天領の陣屋として唯一現存している。


  • 名張陣屋(三重県)大名陣屋、正確には藤堂氏一門の名張藤堂家の陣屋。


  • 園部陣屋(京都府南丹市)小藩の陣屋。城郭構えの現存例。幕末から明治に至って、陣屋から城に格上げされ、その際に現存する櫓と櫓門が建てられた。



復元された陣屋




  • 飯島陣屋(長野県上伊那郡飯島町) - 代官所(代官陣屋)のひとつ。


  • 三日月陣屋(兵庫県佐用郡佐用町) - 播磨国佐用郡、揖西郡、宍粟郡65か村1万5千石の藩庁の陣屋と家臣屋敷を乃井野村に。



遺構が一部残る陣屋


陣屋の門などの建物の一部や石垣等が現存することがあり、ほかに廃止後に移築されて建物の一部が現存する場合もある。



北海道・東北地方




  • 長瀞陣屋(山形県東根市) - 出羽国村山郡にあった。長瀞藩の陣屋。土塁の一部が現存。大手門と伝えられる門が2棟、移築現存する。


  • 泉陣屋(福島県いわき市泉町) - 陸奥国菊多郡にあった。泉藩の藩庁。土塁の一部が現存。裏門1棟が移築現存する。


  • 保原陣屋(福島県伊達市) - 陸奥国にあった。松平氏白河藩の陣屋(代官所)。門1棟が移築現存する。



関東地方




  • 府中陣屋(茨城県石岡市石岡) - 常陸国府中にある府中藩の藩庁が置かれた場所にある。土塁の一部が現存する。また、門が1棟移築現存する。


  • 宍戸陣屋(茨城県笠間市平町) - 水戸徳川家御連枝の宍戸藩の藩庁。土塁の一部が現存する。また、表門が移築現存する。


  • 牛久陣屋(茨城県牛久市城中町) - 牛久藩の藩庁。土塁と空堀の一部が現存する。門1棟が移築現存する。


  • 谷田部陣屋(茨城県つくば市谷田部) - 常陸国筑波郡谷田部にあった。谷田部藩の藩庁。玄関1棟と門1棟が移築現存する。


  • 足利陣屋(栃木県足利市雪輪町) - 下野国足利郡足利にあった。宇都宮藩の支藩足利藩の藩庁。井戸と稲荷神社が現存する。また、門が1棟移築現存する。


  • 佐野陣屋(栃木県佐野市植下町) - 下野国安蘇郡にあった。佐野藩の藩庁。土塁の一部が現存する。また、大手門、裏門、中門が移築現存する。


  • 喜連川陣屋(栃木県さくら市) - 下野国塩谷郡喜連川にあった。門1棟が移築現存する。


  • 吉井陣屋(群馬県高崎市吉井町) - 上野国多胡郡にあった。吉井藩の藩庁。土塁の一部が現存する。また、表門が移築現存する。


  • 伊勢崎陣屋(群馬県伊勢崎市) - 伊勢崎藩の藩庁。建物の一部と門が移築現存する。


  • 七日市陣屋(群馬県富岡市七日市) - 上野国甘楽郡にあった。七日市藩の藩庁。御殿と中門が現存。門3棟が移築現存する。


  • 岡部陣屋(埼玉県深谷市) - 岡部藩の藩庁が置かれた。埼玉県指定旧跡。長屋門と通用門が移築現存する。


  • 生実陣屋(千葉県千葉市中央区) - 下総国千葉郡にあった生実城の跡に置かれた。生実藩の政庁。土塁と堀の一部が現存する。


  • 六浦陣屋(神奈川県横浜市金沢区六浦) - 武蔵国久良岐郡にあった。六浦藩(武州金沢藩)の藩庁。陣屋入り口の石段が現存する。


  • 大津陣屋(神奈川県横須賀市) - 相模国三浦郡大津にあった。江戸湾防備のために川越藩松平家が築いた陣屋。石橋が移築現存する。


  • 荻野山中陣屋(神奈川県厚木市下荻野) - 相模国愛甲郡中荻野村にあった。荻野山中藩の藩庁。厚木市の史跡に指定されている。また、伝・裏門が移築現存する。



中部地方




  • 与板陣屋(新潟県長岡市与板町与板甲) - 越後国三島郡与板にあった。与板藩の藩庁で後に藩主井伊家が城主格となったため与板城(與板城)とも呼ばれる。大手門と切手門が移築現存する。


  • 大聖寺陣屋(石川県加賀市大聖寺) - 加賀国江沼郡にあった。大聖寺藩の藩庁。藩主別邸(長流亭)のほか、土塁の一部が現存。


  • 鯖江陣屋(福井県鯖江市屋形町) - 越前国今立郡にあった鯖江藩の藩庁。門2棟が移築現存する。


  • 伊豆木陣屋(長野県飯田市伊豆木) - 信濃国伊那郡にあった。交代寄合旗本の小笠原氏1千石の陣屋。書院と玄関が現存。陣屋跡には門と物見櫓の石垣が現存。


  • 須坂陣屋(長野県須坂市大字須坂) - 信濃国高井郡にあった。須坂藩の藩庁。陣屋石垣、鐘楼1棟が陣屋跡に現存。門1棟が移築現存。


  • 岩村田陣屋(長野県佐久市) - 信濃国佐久郡にあった。信濃岩村田藩の藩庁。蔵1棟が移築現存する。


  • 阿島陣屋(長野県下伊那郡喬木村阿島) - は信濃国伊那郡にあった交代寄合旗本知久氏の陣屋。石垣と茶室(曙月庵)が現存している。


  • 山村代官屋敷(長野県木曾郡木曽町福島) - 信濃国福島宿 (中山道)に置かれた。木曽代官・福島関所関守を務めた山村氏の屋敷。建物・庭園等の一部が現存。


  • 明知陣屋(岐阜県恵那市) - 美濃国恵那郡明知にあった。当初は交代寄合で、後に江戸定府の旗本となった明知遠山氏の陣屋。陣屋の建物は残っていないが、代官の村上氏の屋敷と土蔵が残されている。


  • 西高木家陣屋(岐阜県大垣市上石津町) - 美濃国石津郡多良郷にあった。交代寄合旗本の高木家の陣屋。石垣、明治再建の主屋、門、石造の埋門が現存。土蔵は部材が解体されて保存されている。


  • 竹中氏陣屋(岐阜県不破郡垂井町) - 美濃国不破郡岩手にあった。交代寄合旗本竹中家の陣屋として建てられた。水堀、土塁、石垣の一部と櫓門が現存する。


  • 高須陣屋(岐阜県海津市海津町高須) - 美濃国石津郡高須にあった陣屋で、高須藩の藩庁。土塁と堀の一部が現存する。


  • 北方陣屋(岐阜県本巣郡北方町) - 美濃国本巣郡にあった。戦国時代の北方城の城跡の一部に置かれた。門1棟が移築現存。


  • 奥殿陣屋(愛知県岡崎市奥殿町) - 三河国額田郡奥殿に置かれた。1863年まで奥殿松平家奥殿藩の藩庁として使われた。書院、藩主墓所、土塁の一部が現存する。


  • 西大平陣屋(愛知県岡崎市) - 三河国額田郡西大平に置かれた。大岡忠相によって1748年に立てられた西大平藩の藩庁。塀の一部と門が現存する。


  • 重原陣屋(愛知県刈谷市) - 三河国碧海郡下重原村にあった。明治時代の重原藩の藩庁。1792年、陸奥国福島藩板倉氏が当初飛び地として得た三河国1万石の所領を管理するために置かれた。減封によって三河国内2万8千石でこの陣屋に入封した。玄関と門が移築現存する。



近畿地方




  • 名張陣屋(三重県名張市) - 伊勢国名張郡におかれた。津藩藤堂家の陪臣名張藤堂家の居館。屋敷の一部が「名張藤堂家邸跡」として現存。


  • 三上陣屋(滋賀県野洲市三上) - 近江国野洲郡にあった三上藩の藩庁。


  • 大溝陣屋(滋賀県高島市勝野) - 近江国高島郡にあった大溝藩の藩庁。


  • 仁正寺陣屋(滋賀県蒲生郡日野町) - 近江国蒲生郡にあった仁正寺藩の藩庁。後の西大路陣屋。


  • 麻田陣屋(大阪府豊中市蛍池中町) - 摂津国豊島郡にあった。麻田藩の藩庁。


  • 伯太陣屋(大阪府和泉市伯太町) - 和泉国和泉郡伯太村にあった。伯太藩の藩庁。


  • 狭山陣屋(大阪府大阪狭山市狭山) - 河内国丹南郡池尻村および半田村にあった。狭山藩の藩庁。


  • 地黄城(大阪府豊能郡能勢町地黄) - 別名、地黄陣屋とも呼ばれている。


  • 兵庫陣屋(兵庫県神戸市兵庫区中之島)摂津国兵庫津周辺にあった。江戸時代、兵庫城の跡に尼崎藩が兵庫津奉行所を置いた。後に幕府直轄となり勤番所が置かれた。


  • 豊岡陣屋(兵庫県豊岡市京町) - 但馬国城崎郡にあった。豊岡藩の藩庁。


  • 小野陣屋(兵庫県小野市西本町) - 播磨国加東郡にあった。小野藩の藩庁。


  • 三田陣屋(兵庫県三田市屋敷町・天神の周辺)


  • 柏原陣屋(兵庫県丹波市柏原町) - 丹波国氷上郡にあった。柏原藩の藩庁。国指定の史跡。


  • 小泉陣屋(奈良県大和郡山市小泉町) - 大和国添下郡にあった。小泉藩の藩庁。


  • 柳本陣屋(奈良県天理市柳本町) - 大和国式上郡にあった。柳本藩の藩庁。


  • 芝村陣屋(奈良県桜井市芝) - 大和国式上郡にあったが、当初は戒重に陣屋を構えた。


  • 櫛羅陣屋(奈良県御所市) - 1863年(文久3年)に築かれた。



中国地方




  • 足守陣屋(岡山県岡山市北区足守) - 備中国加陽郡にあった。足守藩の藩庁


  • 浅尾陣屋(岡山県総社市門田) - 備中国賀陽郡浅尾村にあった。浅尾藩の藩庁。


  • 吉田陣屋(広島県安芸高田市) - 安芸国高田郡にあった。広島新田藩の陣屋。



四国地方




  • 伊予吉田陣屋(愛媛県宇和島市吉田町) - 伊予国宇和郡にあった。宇和島藩の支藩吉田藩の陣屋。


  • 小松陣屋(愛媛県西条市小松町新屋敷) - 伊予国新居郡にあった。小松藩の藩庁。


  • 西条陣屋(愛媛県西条市明屋敷) - 伊予国新居郡西条にあった。西条藩の藩庁。


  • 新谷陣屋(愛媛県大洲市新谷町) - 伊予国喜多郡にあった。大洲藩から分知された新谷藩の藩庁。



九州地方




  • 豊津陣屋(福岡県京都郡みやこ町豊津) - 小倉藩(後の豊津藩)の藩庁として明治維新期に置かれた。


  • 諫早陣屋(長崎県諫早市東小路町) - 肥前国高来郡諫早にあった。佐賀藩鍋島家家老諌早氏の陣屋。御書院が現存する。


  • 島原領豊州陣屋(大分県豊後高田市玉津字本丸) - 1669年に松平氏島原領の飛び地支配のために豊後高田城跡に置かれた。

  • 四日市陣屋(豊前国)(大分県宇佐市四日市) - 豊前国中津藩領からの召し上げによって幕府直轄領として代官陣屋が置かれた。門が現存する。


  • 森陣屋(大分県玖珠郡玖珠町) - 豊後国玖珠郡森にあった。来島氏森藩の藩庁。茶屋・陣屋跡石垣が現存する。



建物が現存しない陣屋



北海道・東北地方




  • 戸切地陣屋(北海道北斗市) - 戸切地陣屋跡史跡公園。


  • 黒石陣屋(青森県黒石市内町) - 陸奥国津軽郡にあった弘前藩から分知した交代寄合旗本黒石津軽家(5千石)の陣屋である。


  • 岩崎藩陣屋(秋田県湯沢市) - 岩崎藩の陣屋。


  • 浅川陣屋(福島県石川郡浅川町) - 陸奥国石川郡浅川村に置かれた越後高田藩浅川領の奉行所・幕府領の代官所である。



関東地方




  • 桐生陣屋(群馬県桐生市西久方町) - は、江戸幕府が直轄領の桐生を管理するために設置した陣屋。


  • 松山陣屋(埼玉県東松山市) - 武蔵国比企郡松山町にあった前橋藩の陣屋。東松山市指定史跡。


  • 金ヶ作陣屋(千葉県松戸市常盤平陣屋前) - 下総国葛飾郡金ヶ作に設置された江戸幕府の陣屋。主に小金牧などを管轄するために設けられた。


  • 貝淵陣屋(桜井陣屋、千葉県木更津市貝淵) - 貝淵藩及び桜井藩の陣屋。廃藩置県後に木更津県の県庁が設置された。


  • 飯野陣屋(千葉県富津市) - 飯野藩の藩庁が置かれた 陣屋である。発掘は実施されている。


  • 一宮城(千葉県長生郡一宮町) - 長狭郡一宮に存在した日本の城。通称は「城山」と呼ばれた。中世末期に一旦廃城となったが、江戸時代後期に一宮藩の陣屋として再建され、一宮陣屋と称した。


  • 岡津陣屋(神奈川県横浜市泉区岡津町) - 相模国鎌倉郡にあった陣屋。岡津代官所とも称する。付近の天領支配のために設けられた。


  • 小杉陣屋(神奈川県川崎市中原区小杉陣屋町ニ丁目) - 江戸時代初期の旗本天領代官、用水奉行小泉次大夫吉次の陣屋。



中部地方




  • 小千谷陣屋(新潟県小千谷市元町) - 小千谷は天領だったため、陣屋は大きくなり、代官屋敷など多くの建物が建てられた。


  • 本保陣屋(福井県越前市本保町) - 本保代官所越前国丹生郡本保村にあった陣屋。本保県県庁が設置された。


  • 松岡陣屋(福井県吉田郡永平寺町松岡葵) - 越前松岡藩の藩庁。陣屋があった当時は御館(松岡御館)と呼ばれていた。


  • 甲府代官所(山梨県甲府市中央三丁目) - 甲斐国の代官所。甲斐一国が享保9年(1724年)以降、幕府直轄領となった際に置かれた。


  • 御影陣屋(長野県小諸市) - 天領代官所(代官陣屋)のひとつ。


  • 中野陣屋(長野県中野市) - 天領代官所(代官陣屋)のひとつ。


  • 山吹陣屋(長野県下伊那郡高森町山吹) - 信濃国伊那郡にあった交代寄合旗本座光寺氏の陣屋。


  • 中之条陣屋(長野県埴科郡坂城町) - 天領代官所(代官陣屋)のひとつ。

  • 切通陣屋(岐阜県岐阜市切通六丁目) - 江戸後期、平藩安藤氏によって、加増された美濃国内1万8千石の所領管理のために長森城の跡に置かれた。


  • 釜戸陣屋(岐阜県瑞浪市) - 旗本釜戸馬場氏の陣屋。


  • 石河陣屋(岐阜県羽島市) - 江戸時代に美濃国にあった、尾張藩家老石河家の陣屋。


  • 更木陣屋(岐阜県各務原市) - 美濃国各務郡にあった旗本徳山氏の陣屋。


  • 新加納陣屋(岐阜県各務原市) - 美濃国各務郡新加納にあった旗本坪内氏の陣屋。


  • 揖斐陣屋(岐阜県揖斐郡揖斐川町) - 美濃国大野郡三輪にあった陣屋。


  • 今尾陣屋(岐阜県海津市平田町今尾) - 美濃国安八郡にあった尾張藩附家老を務めた竹腰氏の陣屋。


  • 笠松陣屋(岐阜県羽島郡笠松町) - 美濃国羽栗郡にあった幕府直轄領におかれた郡代(美濃郡代)の陣屋。


  • 堀江陣屋(静岡県浜松市西区舘山寺町堀江) - 遠江国敷知郡にあった堀江城跡に置かれた。江戸時代の高家大沢氏の陣屋。


  • 横内陣屋(静岡県藤枝市) - 岩村藩が駿河国内15か村を統治した陣屋。


  • 足助陣屋(愛知県豊田市足助町) - 三河国加茂郡足助町にあった、旗本本多氏の陣屋。

  • 新城陣屋(新城城、愛知県新城市) - 新城藩の藩庁。



近畿地方




  • 久居陣屋(三重県津市) - 久居藤堂氏の陣屋。


  • 四日市陣屋(三重県四日市市北町) - 江戸幕府が天領である四日市を管理するために設置した代官所。


  • 丹南陣屋(大阪府松原市丹南3丁目) - 河内国丹南郡丹南村にあった丹南藩の藩庁。


  • 村岡陣屋(兵庫県美方郡香美町) - 但馬国七美郡にあった交代寄合旗本の山名氏の陣屋。



中国地方




  • 倉吉陣屋(鳥取県倉吉市) - 打吹山麓に陣屋が置かれて明治維新まで続いた。


  • 鴨方陣屋(岡山県浅口市鴨方町) - 備中国浅口郡にあった鴨方藩の藩庁。



九州地方




  • 松崎陣屋(福岡県小郡市松崎) - 筑後国御原郡松崎にあった。江戸時代前期、久留米藩の支藩・松崎藩が藩庁として設置。


  • 富江陣屋(長崎県五島市富江町富江) - 肥前国松浦郡富江にあった(富江藩の政庁)。


  • 神代陣屋(長崎県雲仙市国見町神代丙) - 佐賀藩神代領領主鍋島氏の陣屋。


  • 高松陣屋(大分県大分市日岡) - 江戸幕府の代官陣屋。日田陣屋とともに西国筋郡代の拠点として使用された。


  • 日田陣屋(大分県日田市丸山) - 江戸幕府の代官陣屋。江戸中期には西国筋郡代の陣屋に昇格した。



その他の用法




  1. 平安時代に宮中警護をする衛士の詰所のことであった。

  2. 大名などの武家や、公家などが宿泊する宿を意味する。本陣を参照。

  3. 現代の旅館・温泉の名称に「陣屋」を使用するものもある(例として鶴巻温泉の元湯・陣屋など)。


  4. 鎌倉時代には合戦における兵士の臨時軍営を陣屋と呼んだ。


  5. 地頭の役所を陣屋とも呼んだ。近世には民政上の拠点を指す意味が強くなり、幕藩体制における政庁兼居所・蔵を意味する言葉となった。



「2」の用法においての陣屋で現存する建築



  • 二条陣屋(京都府京都市中京区)伝統的建造物(町家)。建築物3棟と土地が国の重要文化財に指定されている(指定名称は「小川家住宅」)。


脚注




  1. ^ 享保2年(1717年)の『武家諸法度』によると、城主は櫓・塀・門以下は届出をして許可を得た上で補修することが可能で、石塁・石壁が壊れたときは奉行に報告し、その差図を受けることとなっていた。このことから江戸幕藩体制下におけるの定義は石垣の上に塀と櫓を有しているものとされていた。



関連項目



  • 陣屋町

  • 城郭

  • 幕藩体制


  • 天領

  • 武家屋敷


  • 本陣・脇本陣

  • 郡代

  • 武家諸法度









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