(せい)とは、東アジアの漢字文化圏で用いられる血縁集団の名称。その範囲は地域や時代によって変動し、氏や名字といった他の血縁集団名と様々な階層関係にあった。近代以降、ヨーロッパなどの他の文化圏の血縁集団名、家系名の訳語としても用いられている。




目次






  • 1 姓と名の順序


  • 2 日本における姓


    • 2.1 日本の主な名字




  • 3 脚注


  • 4 関連項目


  • 5 外部リンク





姓と名の順序


日本人が漢字やかなを用いて姓名を名乗るときは、姓-名の順で表記する。ローマ字表記においても「姓―名」の順が望ましいと文部省国語審議会は答申している[1]


日本人の姓名については、ローマ字表記においても「姓―名」の順(例えばYamada Haruo)とすることが望ましい。なお、従来の慣習に基づく誤解を防ぐために、姓をすべて大文字とする(YAMADA Haruo)、姓と名の間にコンマを打つ(Yamada, Haruo)などの方法で、「姓―名」の構造を示すことも考えられる。
— 2000年、文部省国語審議会[1]

日本サッカー協会ではこの答申に従って2012年4月から選手名を姓-名とし、姓を大文字にして表記している[2]



日本における姓


姓は、名字・苗字(みょうじ)や(うじ)とも言い(姓と氏・名字という語は本来の別々の意味を有するが、現在ではほぼ同一の言葉として使われている)、明治時代以降は、「氏」として戸籍に記載されて管理されている。



1875年(明治8年)2月13日太政官布告で「氏」の使用が義務化され、1876年(明治9年)3月17日に太政官指令で「夫婦別氏制」が出される。その後1898年(明治31年)旧民法で「夫婦同氏」が制定された[3]


以来、現代まで日本の制度ではすべての日本国民が姓を有する、先祖から受け継がれてきた家庭の名称や夫婦を中心にした家族の名称を指す。家庭内や同姓がいるときは、名のみが個人を表す名称だが、家庭以外では、姓と名を合わせたフルネームで表記することで個人を特定する名称となる。


日本人の姓は、基本的に漢字である。ただし「一ノ瀬」などのように一部に片仮名が含まれているもの、「反り目」のように平仮名が含まれているもの、「佐々木」のように記号が含まれているものもある[4]


漢字文化圏以外から日本に移り住み国籍を取得した者の中には、元の姓の読みを当て字にする(有道出人等)、片仮名で表記する(ハーフナー・マイク等)など本人の意向に沿った姓を選択できるため、新しい苗字が出来ることもあるが、使える文字は戸籍統一文字に限定されている。


日本には数多くの名字が存在するが、上位5,000ほどの名字で人口の80%以上は網羅されるとされている[5]



日本の主な名字


以下は、2010年現在日本国内に多い名字(上位30)である[6]

































































































































































日本国内に多い名字(上位30位、2010年現在)
順位 名字(読み) 備考
1
佐藤(サトウ、サドウ)

北海道・東北地方をはじめとする東日本(特に秋田県)や東九州に多い名字で、関西圏では大阪府・兵庫県を除きそれほど多くはない。沖縄県ではむしろ珍しい名字。
2
鈴木(スズキ、ススキ、ススギ)

愛知県(特に三河)・静岡県及び南関東・東北地方に多い。南関東のランキングでは1位。発祥地は和歌山県海南市だが、西日本(特に九州・沖縄地方)にはさほど多くはない。
3
高橋(タカハシ、タカバシ)
この名字も東北地方をはじめ東日本(とくに岩手県の北上市周辺)や中四国地方に多い傾向がある。
4
渡辺(ワタナベ、ワタベ)
発祥地は大阪市中央区で、沖縄県を除く全国に満遍なく分布するが、密度は山梨県や静岡県など東日本南部または中京地方・九州(特に大分県)に多い。
5
田中(タナカ、ダナカ、デンチュウ)
全国満遍なく分布し、大半の都道府県で上位にランクされるが、密度では西日本(沖縄県を除く)の方が多い。大阪府・山陰地方・福岡県のランキングでは1位であり、西日本全体でも1位である。東日本でも関東地方(特に埼玉県入間・比企地域)・甲信越地方(特に長野県)・北海道では密度が高い。
6
伊藤(イトウ

中京地方及び東北地方・関東地方・近畿地方・山陰地方に多い。件数は愛知県が最も多いが、密度では三重県の方が多い。愛知県名古屋市では市町村としては最も件数が多い。
7
山本(ヤマモト
どちらかといえば西日本に多いが、東北地方は多くない。北陸地方・山陽地方では1位、近畿地方・山陰地方では2位。東日本でも埼玉県や静岡県では上位にランクされる。
8
中村(ナカムラ
全国に分布するどちらかといえば西日本に多い。特に近畿・九州地方に多い。
9
小林(コバヤシ、オバヤシ)

関東・信越・近畿・中国地方に多い。
10
斎藤(サイトウ

11
加藤(カトウ
発祥地は加賀国(石川県)だが、北陸地方ではそれほど多くない。中京地方には多く分布する。
12
吉田(ヨシダ、キチダ、ヨシタ)
発祥は京都市左京区。沖縄県を除く全国に分布するが、北陸・近畿・四国地方で密度が高い。
13
山田(ヤマダ
特定の地方に多いというわけではなく、日本のどの地方においても平均的に件数が存在する。
14
佐々木(ササキ
発祥地は滋賀県米原市だが、北海道・東北地方・福井県・中国地方に多い。
15
山口(ヤマグチ
全国万遍なく分布するが、西日本(特に西九州)で割合が高い。日本の都道府県名のうち、日本人の姓としては最も多い。
16
松本(マツモト

西日本や北関東に多く分布する。
17
井上(イノウエ、イカミ)

西日本に多く分布する。
18
木村(キムラ

沖縄県を除く全国に分布する。
19
林(ハヤシ

北陸・近畿地方や山口県に多くに分布する。
20
清水(シミズ、キヨミズ、ショウズ)

21
山崎(ヤマザキ、ヤマサキ)

西日本では「ヤマサキ」が多い。
22
池田(イケダ、イケタ)

23
阿部(アベ

東北地方に多く分布する。
24
森(モリ

西日本に多く分布する。
25
橋本(ハシモト

26
山下(ヤマシタ、ヤマモト)

西日本に多く分布する。
27
石川(イシカワ、イシガワ)

28
中島(ナカジマ、ナカシマ)

中国地方や九州地方などでは「ナカシマ」が多い。
29
前田(マエダ、マエタ)

西日本に多く分布する。
30
藤田(フジタ





脚注


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  1. ^ ab“国際社会に対応する日本語の在り方(答申)(抄)”. 文部科学省 (2000年12月8日). 2013年1月18日閲覧。


  2. ^ 日本人名のローマ字表記について(日本サッカー協会公式サイト 2012年4月1日)


  3. ^ 法務省 我が国における氏の制度の変遷


  4. ^ 津南新聞「今週のねっとわーく」2005年10月


  5. ^ 谷谷谷さんも一口さんも 珍名お任せ、福岡のハンコ店朝日新聞 2016年11月6日


  6. ^ “日本の姓の全国順位データベース”. 静岡大学 人文学部 言語文化学科 比較言語文化コース 言語学分野 城岡研究室. 2008年9月3日閲覧。




関連項目







  • 英文版:en:List of most common surnames、国別の姓の多いものの一覧


外部リンク



  • 日本の姓の全国順位データベース (日本語) - 静岡大学総合情報処理センター



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