電線
この記事の導入部(リード文、イントロダクション、あるいは導入節、序)で示されている出典について、該当する記述が具体的にその文献の何ページあるいはどの章節にあるのか、特定が求められています。ご存知の方は加筆をお願いします。(2019年1月) |
電線(でんせん、英語: electrical wire)とは、電気を伝送するための線状の部材である[1]。銅、銅合金、アルミニウムなどの良導体[2]を線状に引き伸ばし、2つの地点間をつなぎ、電気を伝導するためのものである。
電気設備に関する技術基準を定める省令の第1条の用語の定義において、強電流電気を伝送する「電線」(第1条6号)と、弱電流電気を伝送する「弱電流電線」(第1条11号)に大別しており、それぞれが電気導体のみの裸電線、電気導体を絶縁物で被覆した絶縁電線、および電気導体を絶縁物で被覆した上をさらに保護被覆で保護したケーブル、コードに分けられている[注 1]。
一方、有線電気通信設備令においては、強電流電気を伝送するものを「強電流電線」(第1条4号)としており、「電線」(第1条1号)という場合は、強電流電線に重畳されるものを除いた有線電気通信を行う導体としている[注 2]。
目次
1 使用の歴史
2 電力用
2.1 裸電線
2.2 絶縁電線
2.3 ケーブル
2.4 コード
3 電気機器用
3.1 線材の形状による分類
3.2 導体の材質による分類
3.3 被覆による分類
4 通信用
5 その他の分類
6 電線メーカー
6.1 日本国外
6.2 日本
7 関連項目
8 脚注
8.1 注釈
8.2 出典
9 外部リンク
使用の歴史
日本での電線使用は、1887年(明治20年)、既に完成していた第1電灯局に続き東京電灯第2電灯局が完成し架空電線による電力の供給が始まった際と言われ、当初人々は扇を広げて電線の下を潜ったといわれている。[要出典]
電力用
電力を供給するために使用される電線。
裸電線
銅線(画像はスピーカー接続用のオーディオケーブル)
Optical Ground Wire
裸電線とは、被覆がなく導体がそのままむき出しになっているもの。多くの使用環境で空気による空間が絶縁体となる。人体が接触することによる感電や、漏電、短絡などの危険があるが、電線のどの場所からも電力を取り出せる利点がある。
特別高圧架空送電線
鋼心アルミより線(ACSR:Aluminium Conductors Steel Reinforced)
アルミ合金より線
銅合金より線 - 銅線(英語: Copper conductor)
- 硬銅より線
光ファイバ複合架空地線(OPGW:Optical Ground Wire)
- OPGWはその呼称のとおり地線(アース線)として用いられる。
架線(架空電車線)
絶縁電線
絶縁電線とは、導体が絶縁体で覆われているもの。
高圧配電線
- 屋外用架橋ポリエチレン絶縁電線(OC:Outdoor Crosslinked polyethylene)
- 屋外用ポリエチレン絶縁電線(OE:Outdoor polyethylene)
- 高圧引込線
- 高圧引下用架橋ポリエチレン絶縁電線(PDC:Plane transformer Drop wire Crosslinked polyethylene)
- 高圧引下用エチレンプロピレンゴム絶縁電線(PDP:Plane transformer Drop wire ethylene Polyethylene rubber)
低圧架空電線
- 屋外用ビニル絶縁電線(OW:Outdoor Weatherproof)
- 低圧引込線
- 引込用ビニル絶縁電線(DV:Drop wire PVC)
- 屋内配線
600Vビニル絶縁電線(IV:Indoor PVC)
600V二種ビニル絶縁電線(HIV:Heat resistant Indoor PVC):耐熱被覆のもの
電力機器用
- けい素ゴム絶縁ガラス編組絶縁電線(KGB:Glass fiber Braid):耐熱性
- ネオン管用ビニル絶縁電線(NV:Neon PVC)
- 1000V蛍光放電灯用ビニル絶縁電線(100V FLV:Fluorescent Lamp PVC)
ケーブル
電力用のケーブル(Cable)とは、一般に、絶縁電線を更に保護被覆で覆ったもの。
その他の分野における用法はケーブルを参照。
なお、オーディオ分野などでは、慣例的に絶縁電線のことをケーブルと呼称する場合も多い。
導体となる線の数により、単芯、2芯、3芯などがある。
- 地中電線路用
- OFケーブル(Oil Filled)
- 高圧架橋ポリエチレン電力ケーブル
- 架橋ポリエチレン電力ケーブル
- コルゲートケーブル:直接埋設用
- 屋内配線
600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル(VV:PVC PVC)
- 丸型(VV-R:VV Round)
- 平型(VV-F:VV Flat)
架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV:Crosslinked polyethylene PVC)
- デュプレックス型(CVD):2本の芯線(熱源である導体)が独立して絶縁・保護されているため、CVの2芯より許容電流が高い。
- トリプレックス型(CVT):3本の芯線(熱源である導体)が独立して絶縁・保護されているため、CVの3芯より許容電流が高い。
- カドラレックス型(CVQ):4本の芯線(熱源である導体)が独立して絶縁・保護されているため、CVの4芯より許容電流が高い。
- 分岐付ケーブル(ブランチケーブル)
- ユニットケーブル
- 消防設備用
- 耐火ケーブル(FP-C:Fire Proof Conduit):消防設備の電力供給用。30分通電。
- 耐熱ケーブル(HP:Heat Proof):消防設備の小勢力回路用。15分通電。
- 制御回路
- 制御用ケーブル(CVV:Control PVC PVC)
電力機器用
キャブタイヤケーブル : 移動機器の電源供給用- エレベータ用ケーブル : エレベータの電源供給用。荷重や繰り返しの変形に特に強くなっている。
- 高温箇所・船舶用
- 無機絶縁ケーブル(MI:Mineral Insulation):保護銅管と各導体を耐熱性の高い無機絶縁物で絶縁したもの
- アンダーカーペット配線用
- フラットケーブル
コード
小型電気製品に電力を供給する目的で用いられる電線をコード(Cord)と呼ぶ。
コードの機器と反対側の端部はプラグになっているものが多く、そのプラグをコンセントに差し込んで使用する。
取り回しが良いように柔軟に曲げることができる構造となっており、通常は導体が撚り線である。
- ゴム絶縁袋打コード(FF:Flexible)
- ビニル平型コード(VFF:PVC Flexible Flat)
電気機器用
主に電気機器の内部配線に使用する電線。
線材の形状による分類
- 単線
- 1本の導体を使用している。曲げた形状を保持しやすい。細いものはワイヤラッピングに使われる。
- 撚線(よりせん)
- 複数の細い導体をまとめて被覆した電線。単線よりも柔軟性がある。
- 撚対線(よりついせん)
- 2本の被覆電線を撚り合わせたもの。ツイストペアケーブルとも呼ばれる。
- シールド線
心線の周りを静電シールドで覆った構造のもの。心線には、単心・多心・ツイストペアケーブルなどがある。シールドにはバラ線のもの、編組したもの、アルミテープ巻きのものなどがある。単心のシールド線において特性インピーダンスを規定したものは同軸ケーブルと呼ばれる。心線は芯線とも書かれる。

網状のシールド線とアルミ箔で覆った撚線を芯線とする同軸ケーブル
- フラットケーブル
被覆線を同一ピッチで複数本ならべて、融着した形状の線材。カラーコードで1本ずつ色を変えてあるもの、5本毎などに色の変えてあるものなどがある。圧接型コネクタを使って、一度に配線することが可能である。

フラットケーブルとコネクタ
- フレキシブルフラットケーブル(FFC)
平板型の導体を複数本並べて被覆した、リボン状の線材。可動部分や、狭い場所に使用する。

フレキシブルフラットケーブル
導体の材質による分類
- スズめっき線
- 単線の銅線にスズをめっきした裸線。コイル、リード線等に用いられる。
被覆による分類
- エナメル線・ホルマル線
- 単線の銅線に樹脂塗料を塗布して絶縁した電線。古くはいわゆるエナメル塗料を使ったためエナメル線と言った。ホルマルはformalで、被覆材料のPolyvinyl Formalから来ている。近年はポリウレタンなどが使われ、それら樹脂名を直接冠して言われたりもする。コイル、トランス等に用いられる。
- ビニール線(ビニール被覆電線)
- 単線またはより線にビニールの被覆を施して絶縁した電線。
- 近年の被覆材料
ポリ塩化ビニル:安価で難燃性に優れる。
ポリエチレン:塩素を含まないので、環境対応としてポリ塩化ビニルを置き換える。
フッ素樹脂:耐熱性・耐薬品性などに優れる。
ポリエステル:FFC用によく使われる。
通信用
ツイストペアケーブル
- 市内線路用ツイストペアケーブル
- ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CPEV)
- ポリエチレン絶縁ポリエチレンシースケーブル(CPEE)
- ポリエチレン絶縁 (LAP) シースケーブル(CCP)
- 発泡ポリエチレン絶縁 (LAP) シースケーブル(PEC)
- UTPケーブル(LAN、電話など)
- カテゴリー5
- カテゴリー5e(エンハンスト・カテゴリー5)
- 市内線路用ツイストペアケーブル
同軸ケーブル
高周波用としては[注 3]、不平衡ケーブルとして給電線(空中線に接続する線)などに使われる。50Ωや75Ωなどの特性インピーダンスを持つように、寸法や材質が設計・選択されている。
CATV用同軸ケーブル
テレビ受信用同軸ケーブル
FMラジオ受信用同軸ケーブル- 各種無線通信(業務無線、アマチュア無線など)用同軸ケーブル
- 漏洩同軸ケーブル 一種のアンテナとして利用する。鉄道や自動車のトンネル内でもケータイが使えるのはこのお陰である。
平行二線式フィーダ
- 伝送線路の一つである。製造コストが安く、作るのも伝送線路としては簡単である。一定の特性インピーダンスを持つように、寸法や材質が設計・選択されている。同軸ケーブルより特性インピーダンスは高くなる。市販品で一般的な特性インピーダンスは 200Ω、300Ω、450Ωなどでアンテナに合わせて用意されている。
- かつてはテレビ受像機とアンテナを接続するのにつかわれた。
- 各種無線通信(業務無線、アマチュア無線など)用フィーダ線(アマチュア無線でははしごフィーダが自作されることがある)
その他の分類
- 輸送機器用電線
- 振動・擦れ磨耗・高温・低温・油脂・風雨などに強いものが用意されている。
- EM電線・ケーブル
- カドミウム・鉛・ハロゲン元素などの有害物質を含まず、耐熱性の高いもの。
- マグネットワイヤ
電動機、発電機、変圧器、電磁石等で、磁気を使用した機器の巻線に使われるポリウレタン被覆線やエナメル線の総称。
電線メーカー
日本国外
プリズミアン(イタリア)- 電線世界首位。
ドラッカ/Draka UK Ltd.(オランダ) - 2009年6月にプリズミアンとの合併発表。
大韓電線/Taihan Electric Wire(韓国)- プリズミアンと提携。
ネクサンス(フランス)- 電線世界2位。
- オプティカーベル(ベルギー)- ネクサンス傘下、オプティカーベルの光ファイバケーブル事業に住友電工が40%出資で提携。
- 日本ハイボルテージケーブル(日本)- ネクサンス・ビスキャスと共同出資、富津工場(レンタル)にて紙絶縁ケーブル製造。
LS電線(韓国)- 電線世界4位。
- スーペリア・エセックス/Superior Essex(アメリカ)- 北米最大の電線メーカー、LS電線傘下。
- ゼネラルケーブル/General Cable(アメリカ)
レオニ(ドイツ)
日本
電線工業の業界団体である日本電線工業会によると、日本での電線製造企業の総数は400程度と推定されている。
そのうち、次の6社が業界大手である。
住友電気工業 - 電線世界3位・国内首位。
古河電気工業 - 電線世界5位・国内2位。
フジクラ(旧・藤倉電線)・三井系列 - 国内3位。
日立金属(合併前は日立電線)・日立系列 - 国内4位。
三菱電線工業(旧・大日日本電線)・三菱マテリアル系列
昭和電線ホールディングス(旧・昭和電線電纜)・元東芝系列
これら6社の持っていた事業はアライアンスにより以下の6社に「高圧電力ケーブル事業」と「建設・電販市場ケーブル事業」とで統合されている。
- 高圧電力ケーブル事業
ジェイ・パワーシステムズ(住友電工+旧日立電線、現在は住友電工の完全子会社)
ビスキャス(古河電工+フジクラ)- 昭和電線ケーブルシステム(昭和電線ホールディングス傘下、三菱電線工業がかつて出資していたエクシムを合併)
- 建設・電販市場ケーブル事業
住電日立ケーブル(住友電工+日立金属+タツタ電線)
フジクラ・ダイヤケーブル(フジクラ+三菱電線+西日本電線)- 古河電気工業
- 昭和電線ケーブルシステム(昭和電線ホールディングス傘下)
大手6社以外の電線メーカーの一覧
- 太陽ケーブルテック
- ジェイ-ワイテックス - 住友電工と日亜鋼業の鋼線索事業が統合。旧・興国鋼線索
OCC - 住友系列(NEC+住友電工)
東京特殊電線 - 古河電工系列
理研電線 - 古河電工系列(2008年4月古河電工グループに吸収)
西日本電線 - フジクラ系列
米沢電線 - フジクラ系列- 東日京三電線 - 日立金属系列(旧・東日電線と旧・京三電線が合併)
- 花島電線 - 旧日立電線系列(2003年旧日立電線系列に吸収)
- ユニマック - 昭和電線とフジクラの巻線事業が統合。
- 花伊電線 - 三菱電線系列
沖電線 - 沖電気系列
タツタ電線 - 新日鉱系列- 平河ヒューテック
- 矢崎エナジーシステム
- カナレ電気
- 大電
- 信越電線
- 倉茂電工
- 金子コード株式会社
関連項目
- 電線路
- 伝送路
- 給電線
- 巻線
- 電線管
- 電線類地中化
- リード線
- 電柱
- ワイヤーストリッパー
- VA線ストリッパー
- ケーブルカッター
- 工具
米国ワイヤゲージ規格(AWG)
脚注
注釈
^ 電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年三月二十七日通商産業省令第五十二号)第一条 六号 「電線」とは、強電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体をいう。
同十一号 「弱電流電線」とは、弱電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体をいう。
^ 有線電気通信設備令(昭和二十八年七月三十一日政令第百三十一号)最終改正:平成一三年一二月二一日政令第四二一号 第一条 一号 電線 有線電気通信(送信の場所と受信の場所との間の線条その他の導体を利用して、電磁的方式により信号を行うことを含む。)を行うための導体(絶縁物又は保護物で被覆されている場合は、これらの物を含む。)であつて、強電流電線に重畳される通信回線に係るもの以外のもの
同四号 強電流電線 強電流電気の伝送を行うための導体(絶縁物又は保護物で被覆されている場合は、これらの物を含む。)
^ 遮蔽(シールド)されている、という性質のために、低周波や直流での利用も多い。
出典
^ 『電気用語辞典[要ページ番号]』 電気用語辞典編集委員会、コロナ社、1982年、新版。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"""""""'""'"}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}
ISBN 978-4-339-00411-3。
^ 『電気工学ポケットブック[要ページ番号]』 電気学会、オーム社、1967年、JR版。
外部リンク
- 一般社団法人日本電線工業会(JCMA)
- 一般社団法人電線総合技術センター(JECTEC)
高圧ケーブル試験について(ECCJ)[リンク切れ]