レイ (北斗の拳)
このフィクションに関する記事は、全体として物語世界内の観点に立って記述されています。関連するスタイルマニュアルを参考に、現実世界の観点を基準とした記事に修正してください。(2012年4月) (使い方) |
レイは、漫画『北斗の拳』に登場する、架空の人物。
目次
1 声の出演
2 身体的特徴
3 人物
4 マミヤへの愛
5 ユダとの対決
6 劇場版・OVAでの活躍
7 モデルについて
8 エピソード
9 その他
10 関連項目
11 註
声の出演
塩沢兼人(テレビアニメ、86年劇場版、パンチマニア 北斗の拳、PS版ゲーム)
千葉一伸(格闘ゲーム)
三木眞一郎(『真救世主伝説 北斗の拳』シリーズ)
植木誠(DS版ゲーム)
原沢勝広(タイピングゲーム『北斗の拳 激打3』)
子安武人(北斗無双)
岸尾だいすけ(DD北斗の拳)
鳥海浩輔(北斗の拳 イチゴ味)
緑川光(北斗の拳 スマートショック)
森川智之(北斗が如く)
身体的特徴
身長185cm、体重100kg、バスト132cm、ウエスト92cm、ヒップ106cm、首周り45cm(データは週刊少年ジャンプ特別編集『北斗の拳 SPECIAL』の「拳聖烈伝」による)。
流麗な長髪を持ち、女性と見まがうほどの美丈夫[1]。原作では黒の長髪、黒の瞳だが、アニメ版では頭髪は水色、瞳は紅のカラー指定がなされている。劇場版では青色の瞳となっていて妹アイリとともに頭髪と瞳の色が統一されている。
衣装のデザインは原作とテレビアニメ版では若干異なっている。原作では初登場の牙一族編は赤色のルーズネックのシャツに開襟の上着(以降、前期仕様と表記)を着用していたが、それ以降は詰襟の上着(以降、後期仕様)を着用。テレビアニメ版ではトキに心霊台を突かれるまでは原作前期仕様を着用していたが、直後のユダとの決戦時においては原作後期仕様の衣装に着替えている。なお劇場版やセガ(後のセガ・インタラクティブ)の格闘ゲーム版ではいずれも原作後期準拠の衣装となっている。またテレビアニメ版と劇場版や格闘ゲーム版では全体的なカラーリングが異なり、前者(テレビアニメ版)はやや緑寄りのカラーリングで後者(劇場版や格闘ゲーム版)は青寄りのカラーリングとなっている。
人物
南斗六聖拳「義星」の男。人のために生き、命を懸ける宿命を背負う。指や手刀による斬撃を主体とする南斗水鳥拳の使い手であり正統伝承者。
ケンシロウにとって、友でありながら「強敵」であった人物[2]。共に行動するようになってからは、ケンシロウの良きパートナーになった。また、南斗六聖拳の中で唯一、部下や側近が登場しない拳士でもあった。
父母は、妹アイリの結婚式前(レイの留守中)に、ジャギによって惨殺されている。
師はロフウであるが、彼の奥方リンレイからも大いに教えを受けている(『蒼黒の餓狼 -北斗の拳 レイ外伝-』より)。彼の使う水鳥拳は、優美にして華麗、見るものを魅了し、そのためにユダから激しい妬みと逆恨みを買い、後にマミヤの運命を賭けて戦うことになる。奥義には「飛翔白麗」「飛燕流舞」「朱雀展翔(アニメ版)」 がある。
登場時には、両親を惨殺し、妹アイリを連れ去った「胸に七つの傷のある男」(後にジャギであったことが判明する)への復讐の念に凝り固まり、非道で孤独な旅を続けていた。普段から女を装い正体を隠し、野盗を誘うなどして、食料を確保していた。
マミヤ達の村へも最初は用心棒として訪れ、ケンシロウ達ともそこで知り合った。当初は、かなり荒んだ表情もあってリンには「あの目は人を助けるような目じゃない」、バットには「大悪党のツラ」とまで言われ、ケンシロウも「自分の利益以外では動かない男」との人物評を下すなど、第一印象は最悪だった。実際この時は、村の用心棒と言っても、村を狙う牙一族からスパイとして送り込まれていたのだが、ケンシロウの強さを目にしてあっさりと乗り換えてしまう。
しかし闘いの中、村人の前で弟・コウの死にも冷徹さを貫く姿勢を見せながらも、陰でその弟の死を嘆き涙するマミヤの姿に動かされ、やがて利害を超えてマミヤ達のために戦う姿勢を見せる。
さらにはケンシロウたちの協力で妹アイリとの再会を果たし、以降、本来の「義星」であるべき輝きを取り戻していき、ケンシロウたちへの無償の友情や愛のために奔走することになる。
なお牙一族の一件が片付きアイリを取り戻した際、ケンシロウから胸の傷の事を明かされるも、周りからの人望と、今までの付き合いから感じた人柄から「例えお前がアイリを連れ去った本人だと言っても信じない」と断言している。
アイリを取り戻すための荒んだ旅や、牙一族にアイリを人質に取られケンシロウと戦ったことからも、アイリを護る事を第一に考えて動いてきた。それはレイにとって弱点でもあったのだが、やがてアイリが閉ざしていた心を開き、自身の意思で考え戦う意思を見せてからは、アイリを「自分が守らなければならない存在」から「自分の意思で生きて死んでいく一人の人間」として認めた。
マミヤ達の村に侵攻したラオウに挑むも、馬上からであるにもかかわらず、闘気による攻撃に圧倒されてしまう。何としてもラオウを葬り、ケンシロウに借りを返したいレイは、南斗究極奥義「断己相殺拳」で相打ちを狙うが、命を賭したこの勝負もラオウには指一本触れる事も叶わず、3日後に全身から血を吹き出して死に至る秘孔「新血愁」を突かれて敗北[3]した。
マミヤへの愛
レイがマミヤの村に用心棒として入ったのは、牙一族に雇われて、村を乗っ取る刺客として送り込まれたためであり、マミヤがリンと水浴びをしている所に現れ、彼女の身を纏っていた布を剥ぎ取ってしまうが、「野盗にくれてやるのは惜しい」と元来の優しい目に戻り、牙一族を見限る。
ある時は、「女を捨てた」と言い張るマミヤの着衣を水鳥拳で切り裂いて胸をあらわにしてしまう。思わず乳房を隠すマミヤに、「女でなければ胸を隠す必要はない」と、彼女が戦い続けることをいましめ、彼なりの優しさを表現する。この時、アイリが付けるはずだったケープを被せ、「帰ってきたら純白のケープをプレゼントする」と発言している。
こうしてマミヤと接して見守っている間に、いつしか彼女を愛するようになるが、マミヤがケンシロウに惹かれている事を悟ると、彼女を遠くから見守り、彼女の心の中に生きようとする。
だがマミヤの村で、ラオウによりマミヤが危険にさらされそうになった際、思わずレイはラオウにマミヤを殺さないように懇願する。そして、ラオウから心中を指摘された際、「自分に愛というものを教えてくれた唯一の女」であると、秘めていたマミヤへの思いを告白した。
ラオウに「新血愁」を突かれて徐々に体が破壊され、苦痛に耐える中、マミヤから未来を奪って戦い続けることを宿命づけ、彼女の"死の運命"の鍵をも握る男であるユダの存在が発覚する。レイは余命として残る時間を、ユダを倒すためにマミヤに捧げて、自分の最期を飾ろうとする。こうしてレイとユダは宿敵として拳を交えることとなる。
ユダとの対決
レイは、ラオウに突かれた秘孔「新血愁」による死の期限を迎える前に、何としてもユダを倒そうと考えるが、ユダの策略により間に合う望みがなくなってしまう。しかし、万策尽きた訳ではなく、トキは「新血愁」に対応する唯一の秘孔「心霊台」を突けば、常人なら発狂死してしまうほどの激痛と引き換えに少しだけ延命できると明かした。レイは迷わずその秘孔を突いてもらうことを選び、トキは激痛に耐えられなかった時のためにと、マミヤがメディスンシティーで調達した死の薬を渡した上でレイの秘孔を突く。
レイは激痛にもだえ苦しみ、その叫び声は部屋の外でアイリが薬を飲んでと懇願するほどであった。やがて叫び声が途絶え、トキが部屋の扉を開けた時、薬を飲むことなく激痛に耐え切ったレイは、僅かばかりの生を得ることに成功した。激痛に耐える過程で髪は真っ白になり、その姿を見て思わず絶句し嗚咽する妹アイリにレイは力無く微笑む。
死を間近にしたレイを嘲笑うべくマミヤの村に攻め入ったユダは、レイの余力を見くびっており、「マミヤは死兆星を見ている、お前の想いは無駄なものだ」と彼の精神力を挫こうとする。ところがレイは「どこまでも哀しき女。そんな女のために死ぬ男が一人くらい居てもよい」と、より一層の決意を持ってユダに立ち向かう。
二人の対決は、死を背負い技の切れを増すレイの優勢で展開していくが、ユダの奸計により大量の水を使い流砂と化した戦場で、状況は大きく一変する。流砂に足を取られたレイ
に対しユダは遠くからの衝撃波で痛めつけ、とどめに南斗紅鶴拳の奥義である「血粧嘴」を放つ。しかし時を同じくしてケンシロウの機転で流砂が止まると、その刹那、レイも奥義・「飛翔白麗」で間一髪逆立ちの体勢から宙へと舞う。そして、その美しい技に心を奪われたユダの不覚を誘い、起死回生の勝利を得る。
ユダに勝利した後、死を目前としたレイはマミヤ達に別れを告げるが、その顔には一点の曇りもなく、家屋の中で、砕け散る姿を誰にも見せず倒れていく。そして、ケンシロウの手でその家屋ごと火葬される中、レイの無償の愛はマミヤの頭上から「死兆星」の蒼光を消し去った。
劇場版・OVAでの活躍
- 劇場版『北斗の拳』
- 妹・アイリを奪還するために、ケンシロウと共闘してジャギ一味を壊滅させた。しかし、拳王軍との戦いで、ウイグルには圧勝するものの、ラオウには南斗究極奥義・断己相殺拳もかなわず敗死した。
- 『真救世主伝説 北斗の拳 』
- OVA『ユリア伝』に登場するが活躍する場面は限定的である。強奪された妹・アイリの手がかりを求めて荒野を放浪していたところを南斗五車星に捕らえられ、南斗最後の将であるユリアはケンシロウの元へ向かうように誘う。ケンシロウとの出会いで本来の「義星」の光を取り戻してレイの旅は終わる。原作と同様、ラオウに挑んだが、秘孔・新血愁を突かれて敗北、トキに秘孔を突いてもらい少しばかり延命した。その時、白髪化した頭髪の一束を、恩人である最後の将に渡してほしいとトキに頼んだ。なお、アイリ救出、マミヤやユダとのエピソードはカットされている。
モデルについて
新沢基栄の漫画『ハイスクール!奇面組』の一堂零をモデルにしているという説があったが[4]、原作者の武論尊はインタビューで否定している。レイの名は「麗」の字に由来するという[5]。
なお『奇面組』のテレビアニメ版[6]では、数秒ではあるが一堂零がレイに扮装して南斗水鳥拳のようにスイカを輪切りにするシーンがある[7]。
一方で、レイをモデルとしたキャラクターもいる。アニメ『蒼き流星SPTレイズナー』の後半に登場するグラドス星人の総司令官ル・カインは、髪型や顔もレイそっくりであるうえ、声優も塩沢が担当している。これは作画監督の谷口守泰が熱狂的な『北斗』ファンだったことによるもので、このほかにも同作品にはしばしば『北斗の拳』の登場人物に似たデザインのキャラクターが登場する。
エピソード
- 彼の死後に登場した南斗六聖拳「仁星」のシュウとは親友である。彼を主人公に置いた外伝『蒼黒の餓狼 -北斗の拳 レイ外伝-』や『北斗無双』では、シュウの南斗白鷺拳の足技をレイが使ってみせた。
テレビゲームのセガ・マークIII版『北斗の拳』においては、本人は出番が全くないにもかかわらずパッケージのイラストに顔を出している。
その他
- 美形キャラで、『北斗の拳』が男性のみならず、女性にも人気を博する一翼を担った[8]。
- 牙一族の奸策により、ケンシロウとの非情な闘いを互角に渡りあったが、以降はケンシロウの戦いをサポートする役に回り、外野からの「解説者」の役をつとめることも多くなった[9]。
- レイがマミヤを思う気持ちはバットにも影響を与え、最終章でのマミヤとの会話では自分がリンを思う気持ちをレイに重ね合わせて語っている。
- レイの南斗水鳥拳は原哲夫が最も好きな拳法として挙げ、「絵的にもうまくいった」と語っており[10]、アニメでも演出(テルミン風の独特の掛け声、暗転した背景に光の軌道を描く指の動きなど)で高い人気を得た[11]。
関連項目
蒼黒の餓狼 -北斗の拳 レイ外伝-
註
^ ナルシストで美に対して異常に執着する南斗六聖拳「妖星」のユダが、ただ一人自身より美しいと認めた男である。
^ 『北斗の拳 完全読本』
^ このときレイはラオウに完敗しているが、後発の外伝作品『蒼黒の餓狼 -北斗の拳 レイ外伝-』ではかつて師ロフウとの闘いで、立ち会ったラオウに自身の拳を見切られたシーンが存在している。
^ 『奇面組』にケンシロウのパロディキャラ「北殿軒戻樹(ほくとのけん もどき)」が登場していることからの連想といわれる。
^ 『月刊コミックゼノン』2013年2月号。北斗の拳OFFICIAL WEB SITEにも掲載[1]。
^ 本作と同じくフジテレビ系にて放映された。
^ 第33話「全員出席せよ・水着も光る夏の臨海学校」
^ 『僕たちの好きな北斗の拳』「女子にとっての北斗の拳」
^ 『北斗の拳 究極解説書 世紀末覇王列伝』と『北斗の拳 奥義秘伝書』より
^ 『北斗の拳 SPECIAL』の中のインタビューより
^ 『僕たちの好きな北斗の拳』「北斗ワールド」
|